Apple Musicとプレイリストの作成

2015年8月18日現在の状況です。

Apple Music、3ヶ月の無料期間登録中です。

AWAとかLINEミュージックとか月額制の定額音楽配信サービスと同じ。

ただし、Apple Musicは基本的には現状iPhoneユーザー向けのサービスですね。

 

そんで、今回もちょっとだけ困ってしまうことがあったので書いておこうと思います。体系的な仕組みの説明というよりは、起きてしまった問題の解決策というアプローチです。

 

やろうとしたことは、Apple Musicからマイミュージックに追加した曲」と、「CDからリッピングしたiTunesライブラリのローカルファイル」を混ぜてプレイリストを作るという事です。

用語が多くて状況がわかりづらいですよね・・・

Apple Musicからマイミュージックに追加した曲

Apple Musicは前述のとおり定額音楽配信サービスで、Appleクラウド上に保有する楽曲をネット経由(Wi-Fi、4G回線可)で視聴します。この時、気に入った曲やアルバムを自分のiTunes上(マイミュージック)に持ってくることができます(あくまで表示上ですが)。元から自分が持っている曲と、Apple Musicから追加した曲を並べる事ができるのです。

ちなみに、外出先で4G回線使って毎日音楽聞いてると通信量がとんでもないことになりますので、対策としてローカルにデータをダウンロードする機能もあります。データくれるなんてよっ太っ腹!と言う話ではなく、DRMというデジタル著作権管理の制限が付いているので当然外部メディアにコピーしたりすることはできません。家でWi-Fiを使いダウンロードしておけば、外出先で通信せずに音楽が聞けるというサービスです。

●CDからリッピングしたiTunesライブラリのローカルファイル

他と区別するためにこんなややこしい言い回しになってますが、単純にCDからパソコンに入れた音楽ファイルです。もともとのローカルファイルからなるiTunesの曲目を「iTunesライブラリ」といい、それはApple Musicとは違いローカルにデータがありますよ、ということを表現したつもりです。

 

ここでどんな問題が発生したか。

先にApple Musicの曲のみでプレイリストを作成していたが、後からCDからリッピングした曲を追加しようとした所、

 icloud ミュージックライブラリのプレイリストには、お使いの icloud ミュージックライブラリからの曲のみ含めることができます。

 という表示が出て、iCloud ミュージックライブラリの使用を停止すれば現在使っているコンピューターのみで再生出来ます。というような選択肢が示されました。

「現在使っているコンピューター」というのが本当にPC1端末のみなのか、使用IDが同じ他端末でも使えるのかは定かではありませんが、iCloud ミュージックライブラリの使用をやめるつもりはなかったので、この方法は使えません。

で、いろいろやってたんですがどうやら誤ってiCloud ミュージックライブラリをオフにしてしまったらしいんです。

すると、先ほど作成したプレイリストからApple Musicから追加した曲が消えていて、CDからリッピングした曲しか表示されていませんでした。

つまり、Apple Musicの曲とCDからリッピングした曲は同じプレイリストに混ぜることはできない???という状況になりました。

 

ここでまたiCloud ミュージックライブラリについて説明を入れておくと・・・

関連するサービスは2つあります。

iTunes Matchと、Apple Musicです。

iTunes Matchの方が先にサービス提供されていて、年間3980円で自分の手持ちの音楽データを全てiCloudにアップロードして、Appleが保有している音楽ファイルと同一のものはApple保有データを利用、Appleが保有していない音楽ファイルは自分がアップロードしたものがオリジナルとしてiCloudに保管されます。

こうすることで、外出先でも膨大なライブラリからストリーミングで音楽を再生できるし、iPhoneやPCやiPadなど複数のデバイスでライブラリを共有することができるというものです。

Apple Musicでは、同様の機能が「iCloud ミュージックライブラリ」という名称になっており、曲数の上限やアップロードできるファイルの条件についてはほとんど同じなのですが、利用料金も別、DRMが付くのはApple Musicだけ、というような別立てのサービスになっています。

保存先が結局同じiCloudだからややこしいんですよね。一瞬iTunes Matchに登録していないから?とか思ったんですが、そういうことではなさそうです。

 

その後色々試していると、CDからリッピングした曲には破線のクラウド☁マークが付いているものと、なにも付いていないものがあるようでした。中には同じアルバムの中でも付いているのと付いていないのがある。

確認すると、これはiCloud ミュージックライブラリに未アップロードの曲に破線のクラウドマークが付いているようです。

で、マークが付いていないものをプレイリストに追加すると、追加できる!Apple Musicの曲も表示されたまま、CDからリッピングした曲も混ぜて追加することができました。

なるほど。つまり、件のプレイリストは「iCloud ミュージックライブラリのプレイリスト」であって、iCloud ミュージックライブラリに入っている曲しか加える事はできないわけです。既にアップロード済みの曲は追加できて、未アップロードの曲は追加できない理由がわかりました。

となると、対策はプレイリストに追加したい曲をiCloud ミュージックライブラリにアップロードすること。ですが、曲を選択してアップロードすることはできないので、全てのローカルファイルがアップロードされるのを待つしかありません。

 

これがまた、時間がかかることかかること。

Apple Music登録時に一度行っているのですが、途中でiTunesを閉じたりPCをシャットダウンしたりでいつのまにかアップロードがストップしていたようです。アップロードの再開は、メニューバーの「ファイル」から「ライブラリ」、「iCloud ミュージックライブラリを更新」でできます。アップロード中はiTunes画面の右上、検索バーの右側にくるくるが表示されます。

僕の場合、5000曲くらいなんですが回線の細さが災いして、たぶん30時間以上かかってます。PCの自動スリープをオフにして2晩放置しました。

ということで、CDからリッピングしたローカルファイルは晴れてiCloud ミュージックライブラリにアップロードされましたので、プレイリストにも問題なく追加することができるようになりました!

 

ちなみに、iPhoneからは適宜ストリーミングor事前ダウンロードによって、ライブラリ全ての曲目を持ち運ぶことができるようになりました。その反面、今後CDからリッピングした曲をストリーミングせずにiPhoneで聞くには、一旦iCloudアップロードして今度はiPhoneからダウンロードしておかなくてはなりません。PCとケーブルで繋いで一気にローカルファイルを送り込むことはできないわけですね。

一つの方法として、一旦iPhoneiCloud ミュージックライブラリをオフにして、iTunesからケーブル経由でローカルファイルを送り込んだ後、再びiCloud ミュージックライブラリをオンにして、最初に出る「結合/置き換え」の選択時に「結合」を選ぶ。と言う方法があります。

この「結合」というのは、iPhoneに入っているローカルファイルを生かしたままiCloud ミュージックライブラリを使用するという選択肢です。

ただし問題点として、一度iCloud ミュージックライブラリをオフにすると、その時点でiPhoneにダウンロードしておいたiCloud経由の音楽はローカルファイルが一旦削除されます。なので、Apple Musicからダウンロードした曲はもう一度ダウンロードしなおしになりますね。面倒。

 

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ここまでやってなお解決していないことがあるので、以下メモです。

ようやくできたごちゃまぜプレイリスト、いつでも聞けるように全曲ダウンロードシておこうと思い、プレイリストごと「オフラインで聞けるようにする」を押したのですが、どーもちゃんとダウンロードしていない感じ。

確認してるとやっぱり4G使用をオフにしてWi-Fiもオフにすると聞けません。いろいろいじったあげく、1曲ずつ「オフラインで聞けるようにする」を押すとほぼダウンロードできました。

しかし!なぜか数曲だけダウンロードできず。一瞬ダウンロード表示されるものの、すぐだんまりになります。不可解すぎる。これはCDからリッピングした曲でしたが、同じタイミングでリッピングした他の曲はダウンロードできてます。謎。

それから、Apple Musicの曲だけを4曲入れたプレイリストは、なんの問題もなくプレイリストごと「オフラインで聞けるようにする」が適用出来ました。

しかし、この場合だと、曲名の右端にダウンロード済みを示すiPhoneマークが付きません。プレイリストのアートワーク部分には付くのですが、曲名の方に付かない意味がわかりません。実質1曲ずつダウンロードしているにもかかわらず、表示がわかれる理由はなんなんでしょう・・・

いい映画みた

最近見たのは前評判の高い3作品。

バードマン、セッション、インヒアレント・ヴァイスです。

結論として、僕はどの作品も面白いと思いました。しかしセッションに関しては、一部で話題の論争がネット上でありまして、嫌な気持ちにもなるほどと言う気持ちにもなったりしたのでそれも絡めて書こうかなと思います。

 

セッション

名古屋の伏見ミリオン座はいい雰囲気の映画館ですね。出張の夜に見ました。

まず、批評云々については、本作がアカデミー賞の有力候補作品であり、結果、助演男優賞、脚本賞、録音賞を実際に受賞した作品で、世の中的に絶賛に近い評価を受けているということを念頭に置いたほうがいいと思います。

実在の伝説的ドラマーであるバディ・リッチに憧れる青年が主役で、体罰と罵倒によって指導を行う指揮者(フレッチャー先生)といかに“セッション”するかという物語です。

本当に演奏はバディ・リッチのモノマネみたいな感じ。僕はたしか高校の頃、Youtubeで見たんだったかな。それまでドラムってほとんど裏方的な楽器だと思ってたんですけど、このバディ・リッチって人は途中のソロでドラムだけで何分も演奏するわけです。(ジャズでは特定のパートにスポットを当てて見せ場となるソロ演奏を挟む、というのがよくあります。というかセオリーみたいなもんです。)

そのバディ・リッチの演奏がすごいのなんのって、もう寿命が縮むんじゃないかというほど(演奏後は実際に寿命が縮んでるようにしか見えない)狂ったように叩きまくる。いやいや速ければいいってもんじゃないでしょ笑とは思うんだけど、思いつつももうドラムだけの演奏が物凄い音楽で、圧倒されない訳にはいかないんです。

とりあえず見てみてください。3:00頃からソロで、6:00からの部分はセッションで良く似たシーンが出てきます。途中からスティックがアニメみたいに分身して見えます。

で、論争というのは、ジャズ演奏家菊地成孔さんと、映画評論家の町山智浩さんによる両氏自身のブログ記事を介したものです。

菊地成孔さんは、文筆活動もよくしていて、ジャズに限らず映画やファッションやエッセイなど情報発信の多い人だと思います。僕のスタンスとしては、エッセイから入って音楽も聞いたりして、けっこうファンです。ただし、考え方という点では“住んでる世界の違う人”感もありついて行けないと思うこともしばしば。町山智浩さんは、映画雑誌とかラジオの映画批評コーナーで知ってるなーくらいの認識。Wikipedia見ると、昔はヤンチャだったと言われてそうな経歴がちらほら。傍から見て喧嘩っ早いところはあるようですね、お二方とも。

で、嫌な気持ちになったというのは、菊地成孔さんがこれでもかというほどセッションを罵倒していて、これを喜ぶのは幼児的というような事まで言う。単純に強烈な罵倒と言う時点で怖いですよね。怒ってるんだから怖いのは当たり前なんですが。

それでまあせっかくなので全文読んだんですけど、もともとの菊地さんの批判はそんなに変なことは言ってないですね。その後のエクスキューズやら町山さんとのぶつかりの中での発言が禍々しい。お互いに理性的に書いてますよと言いつつも、けっこうな感情的文章で、ジョークですよ~(ヘラヘラ)と言いつつ目がマジな煽りとかしててみっともなさがあるなと。

とにかく“筆が滑った”部分は両者にありまくりでいちいち引っかかってたらキリがないです。それから人格批判とかジョークのつもりの低俗な煽りとかも盛りだくさんなので、余計な言葉の中から真意を汲み取るのは難しい。菊地さんは近頃のジャンキーなネット住民は長文読解力が低すぎだ馬鹿と言うけど(これが半ばルーチン化した決め台詞だとしても)自業自得なのは否めないですよね。

一方なるほど/たしかにと思った菊地さんの主張は以下。

・ジャズ版巨人の星

・演奏が良くない

・素人が作った危険ドラッグのような映画

パンチドランク・ラブ(レス)な映画(町山さんの解釈含む)

そう、巨人の星的な非人道的なスポ根ドラマで、脚本からしても指揮者が悪人であることは自覚的。だったらそんなに怒る必要あるのかなあと思ってて出てきたのは演奏が良くないということ。

うん、演奏はそんなに良くないです。これはジャズメンの批評を見たから言うんじゃなくて、劇中の音楽を聞いてて音楽にうっとりするような場面が全然ないんですよ。でもなんでだろう、自分ではジャズが好きだと思ってるけど、映画を見ている時にその部分はそんなに気にならなかった。その点、菊地さんが言うように危険ドラッグのようなわかりやすい映画で、萌え萌え~(死語)な暴力表現にクラっときちゃった甘ちゃんがパンチドランクになってるだけ、愛の無い映画だ。と言うのはその通りかもなと思う次第。

でも、それでいいんじゃない?って思っちゃうんだよね。菊地さんが「絶対に許さない」までに批判して「知り合いのジャズメンは呆れるか憤慨するか」だと言ってるように、やっぱり「音楽家だから批判するのではない」んじゃなくて、ジャズメンだからこその嫌悪であり批判を含むんじゃないかと思うんだよな。

町山さんとのやりとりの前の一般読者向けのエクスキューズではその点も認めつつあるのに、あとになるに従ってポジションが頑なになっているような気がするのがなんだかなあ。

そりゃあ文句ならいくらでも付けれるんだけどな。フレッチャー先生も菊地さんもつい口をついて出るドラマーの「ガキ」たる主人公、あんな坊っちゃんが名ドラマーになるわけないだろって話。ただそこがある意味で菊地さんが嫌悪する「あるかもしれない大学の白人によるジャズ」っていう設定の説得力になってると思うし、結局菊地さんも「ああいう間違った鬼バンマスはいる」と認めてるわけで。

町山さんの主張に近いけど、実際にそういうシゴキでジャズドラマーを挫折した人間が撮った(らしいです)憎しみの映画として全然間違ってないと思う。

「あの劇中の音楽がジャズだと思われたら悲しい」という趣旨の菊地さんのコメントは、いやいやあれだけ話広げたのに普通じゃん!そりゃそうだろうよ!ってレベルだし、ジャズじゃなくても一般に認識が薄い題材についてはいつでも誤解される可能性がある、世の中誤謬だらけなのはわかりきったことじゃないかと、フツーな感想しか出てこないですよね。つまるところ、外野のクソリプに煩わされている感が強いので、そのあたりはそろそろ無視していいんじゃないかなーと思います。

僕としては、観ても特にかたちのある感情を掻き立てない映画を駄作としたい。この映画で描かれた、醜悪な人間模様と殴り合いの末に辿り着いた愛の無い渇いた頂点の景色は、ひとつの傑作なのではというところです。

依然、お二人の主張は腑に落ちない点が残るあたり、僕の読解力と知性が及ばない領域なのだと思うのですが、逆に以下の点は論ずるまでもない瑣末なことと思っています。

・こんな教育法(体罰)を美談にするな

 →NHK教育じゃないし…それに美談じゃない

・町山さんの言う映画批評の不文律を守らないのは良くない

 →良くないかもしれないけど、あの議論はなんか寒い。

・邦題の「セッション」は拙い(原題はWhiplash)

 →言うまでもなく酷い

まあ、後味は悪いですね、批評について、余計なもん見たというのは事実。

「あの地獄の果てに見た正体不明の光は、もしかしたら天国へと通ずる扉かもしれない」というところで物語は終わる。その光の先が実際には断崖絶壁だったり、井戸の底から見た広い世界の光だったとしても、その境地に至りうる人間の物語として、記憶に留めたいと思います。

 

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

セッションの論争を引きずって申し訳ないけど、こちらは菊地さんが大絶賛で、セッションで踏みつけられたジャズドラマーが祝福される完璧な映画だと。その点は諸手を上げて賛成です。

いやあ、ドラム、物語には関係ないんだけど、音楽がドラムソロなので作品として超重要な要素。このドラムがもう、映画が始まってすぐにウッヒョーカッケー!!!となること請け合いなんですよ。わかりやすいクレジットとタイトルロゴとの掛け合いだけかと思ったら、物語とドラムの掛け合いが簡単そうで新しい、頭がスパーンと弾かれるようなフレッシュな驚き。とにかくクール。

僕はここ数年、南米文学に触れていて、マジックリアリズムに対して違和感がないどころか崇拝するほど好きな表現方法なのですが、菊地さんの批評には丁寧に解説がされてありましたね。こういう認識は広まって欲しいなと思います。つまり・・・

主人公のリーガンの超能力は妄想か/現実かについて、妄想として説明する人が多い。最後に彼は飛び降りたのか、飛び立ったのか、決めるのは人それぞれという書き方が多い。でもそうじゃない、ということです。

決める必要がないんですよね。マジックリアリズムにおいて。妄想であり現実なんです。そういう矛盾する見方を同時に行うというのは南米文学に広く浸透しているし、もともと人間は古来からそういう考え方を普通にしていたし。神話や伝説はそうした性質が根強いし、現代でも魂とか故人に対する思いに辛うじて残ってる。

現代的な、科学的っぽい哲学っぽい解釈を無理にしようとするならば、「ある人間がそれを超能力だと認識したのならば、物理的に超能力でなくてもそれはその人間にとっては超能力が現実となる」というようなところでしょうか。これだとかなり科学的な認識に偏っている説明なんですが、僕達の21世紀的頭脳で捉えるならこれが限界な気がします。ほんとうは、「実際には起こっていないけれど」という注釈抜きの、物理と妄想の垣根を取り払った(現実にそのような垣根は存在しないとする)思想だと思います。

このようなマジックリアリズムを、ブロードウェイという舞台で過去の栄光(それもアメコミヒーローw)に拘泥する中年男性を主役に、という企画がもう素晴らしすぎる。虚構を演ずる場である舞台に立つのは現実に打ちのめされた男なんですよ。

半ば古典となりつつあるボルヘスとかマルケスマジックリアリズムは、当時は20世紀文学のニューウェーブとされつつも、時代を経て早くも空想物語的雰囲気が出てきてしまってるきらいはある。それにたいして本作の新鮮さ。単にカメラワークの独特さだけが斬新なのではなくて、脚本、役者、音楽、それぞれが現代的でありながらのこの手法というマッチングが完璧な映画なんです。

こういうマジックリアリズムの再解釈、ポップカルチャーとの融合、現代社会との混交、それらの移民による発信というのは既に始まりつつあって、今後非常に期待が持てるテーマだと思います。この前読んだ「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」という小説も、ドミニカ系アメリカ人によって書かれたマジックリアリズムポップカルチャーの融合(そして独裁政権の記憶)で、すごく刺激的だった。共通するのはテンポの良さで、ここが現代的と感じる要素のひとつだし、バードマンにおいてそのテンポを刻むのがドラムによる音楽というわけです。

カジュアルさも深みも映画的エレガントさも兼ね備えていてかつ人懐っこい、い~い映画でした。

 

インヒアレント・ヴァイス

Inherent Vice:内在する欠陥

海上保険用語のひとつ。

生まれながらの性質として変えられない欠陥により、どうしても避けられない損害のこと。

例えば、卵は割れる。国家は腐敗する。

それらを原因とした事故への補償は免除される。

(パンフレットより)

 ヒー、カッコイイ~~~

70年代ポップカルチャー!ジャンキー!ヒッピー!

めちゃくちゃ空気がぬるくてサイコーですね。ぬるい炭酸。

なんていうのかなあ、ちゃんと、こういう映画がまだ撮れる2015年というのを再確認できて嬉しいですね。昔の映画ばかり見なくてもいいんだ、僕達の世代の名作が生まれ続けているんだ、というのが嬉しくて仕方ないです。僕はですね、昔の名作映画を見るのは大好きですけど、自分が歳をとった時に大切に思える、リアルタイムの映画経験をするのはとても大事なんじゃないかと思ってるんです。別にこれは映画に限らないんですけど。小説とか、音楽もね。

たまに映画の批評で「とにかく見てください」っていうなんじゃそりゃな無意味なレビューがあるけれど、そう言いたくなる気持ちもわかる。とにかくこの空気を吸って欲しい。そういう映画。

原作はトマス・ピンチョン。現代最高峰の作家と言ってもいいくらいの文学の巨人。

音楽はジョニー・グリーンウッド。Radioheadのメンバーで楽器はなんでもやる天才。映画音楽もいくつか手がけていて、トラン・アン・ユン監督の「ノルウェイの森」でも音楽を担当。

ジョニー・グリーンウッドの音楽はすごく心地が良かった。レディオヘッドの音楽が好きでよく聴いていたから、なじむっていうか。
でもネットで見かけた批評には映画に対してちょっとインテリすぎるという意見もあった。確かに内容よりはクリーンだった気もする、でもそのクリーンさが好きだし思ったよりも心地いい音楽が流れてきたことにグッと来たところがあると思う。
ギターサウンドが良いんです。

もみあげには注目せざるを得ないと思うのですが、全米を激怒させるモキュメンタリーを撮ったホアキン・フェニックス。かの映画に影響を受けたと思われる山田孝之東京都北区赤羽というモキュメンタリードラマがあります。山田孝之も髭が濃いですよね。なんというか似た雰囲気を感じないこともなかった。通じるところがあるんでしょうか。
どちらも見ていなくて、山田孝之の方は録画はしてあるので結構楽しみにしています。

 

3本、実績も実力もスゲーのを立て続けに見たなという感じです。

【よんどめだ京都旅行】青もみじ

3日目は、秋は紅葉の名所になる場所。初夏のこの時期は青もみじ狩だね!

水路閣

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あれ?赤いぞ。

こちら南禅寺境内の水路閣。明治21年竣工。これを設計した田邊朔朗さんは当時若干23歳!天才というやつです。

琵琶湖から京都に山を超え谷を超え水を運ぶという大事業琵琶湖疏水の一部です。東京遷都で落ち込む京都を盛り上げようと計画され、実際に水運・水力発電・農業用水・工業用水と遺憾なく効果を発揮し、現在も上水道用水として利用され続けている。

この計画の発案・推進には八重の桜でおなじみ山本覚馬も関わっているとか。

めちゃくちゃいいね。何がいいって実用の為の公共事業でこれだけモダンで美術的な建築ができるというのが良い。明治の良い所ってここだよね。橋の欄干から街灯までデザインが行き届いている。現代の市民ときたら口を開けば「俺の税金がブツブツブツ」とつまらん事しか言わない。おれの税金があんな安っぽい橋や街灯になる方が最悪だよ・・・最大公約数はクソ!ナッシュ均衡もクソ!

100年経ちなお味わいを増す公共事業、いいじゃないですか。まあ当時も景観を壊すとかで非難轟々だったらしいけどね笑

 

毘沙門堂

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そうだ京都、いこう。の広告で真っ赤な紅葉の写真が使われた場所です。

 ここは建物内部の絵を楽しむのが良いですね。春の特別公開で説明員の人がいてよりわかりやすかった。キーポイントは絵を見る角度。

天井絵の龍は部屋の四隅に立つと龍の頭の向きがまるごと変わる。角度によって鼻先の長さが違って見えることで、下を見下ろしたり、空を見たり、前方を向いたりする。八方睨みの龍というやつですね。

お次は狩野益信の襖絵。「九老之間襖絵」では机に書を広げる老人が描かれていて、この机が見事な効果を出す。右側から見ると手前の方向に向いて机が置かれているように見える。つまり自分と老人が相対するように見える。一方で左端から見ると、机の前に座るもう一人の老人と相対するようになる。1枚で2コマ分のアングルが楽しめるわけです。

宸殿奥には円山応挙の鯉の絵がある。こちらも見る人が動くことで鯉がついてくるように見えるという絵なんだけど、それよりもこれが木の板に描かれていて、木目が滝や水の流れに見えること、木目が密になっている間を通り抜けているように見える鯉の描き方なんかはまさに粋だなあと唸りますね。

 

東福寺

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もみじの海に浮かぶ通天橋。

現存最大級の三門(国宝)に巨大本堂、東西南北に庭を配した方丈庭園、渓谷と紅葉と木造橋という見事な境内。これは素晴らしいですね。

方丈庭園はひとつひとつがテーマを共通しながらアプローチがまるで違って面白い。南庭のダイナミズムは背後に見える唐門、三門、本堂の大屋根のイメージを拾ってより奥行きと壮麗さが出ていて、東庭は全く逆の静けさと研ぎ澄まされた神秘性。北庭の苔と敷石の市松模様はモダンと自然が調和していて、西庭は背景の渓谷に合わせて立体感を出して華やかになっている(サツキの花が咲くとより鮮やかに)。

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光明院

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東福寺の周囲には塔頭(たっちゅう)と言って、開祖や高僧の死後に弟子が建てた小さな寺院がたくさんあります。

霊雲院、芬陀院と見て、最後にこの光明院に立ち寄りました。

玄関から見える一輪の花。拝観料が志納であったり、案内の人がいなかったりとどことなくストイックさを感じます。

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この庭が良かった・・・

先ほどの方丈庭園と同じ、重森三玲の作です。

縁側がジグザグと続いていて、ここはもうただ静かに座って庭を楽しむのみ。

ふわりと天へ昇るような斜面のサツキとツツジ。白砂とウマスギゴケのゆったりした空間に絶妙に配された庭石。この石が見る場所によって表情を変えてすごい。

帰ってからもこの空気を思い出すと、少しだけ生活に安らぎを取り戻せるような特別な空間でした。お土産になる旅の記憶です。

 

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京都はさすがですね、非常に濃密な文化体験ができる。

そこにすごい落差なんですけど、京都駅にあるパン屋SHIZUYAのカルネとたまごサンドを買いました。シンプルにも程があるシンプルさなんですが、うまい。

カルネは少し粘りのある丸いブールのようなフランスパンにマーガリンを塗ってハムとスライスオニオンを挟んだだけのパン。でもこれがうまい・・・いや、口に入れた瞬間ウマーイ!っていうやつじゃなくて、何かしながら食べるんだけども気付いたらペロっと食っちゃってあれ?ってタイプのうまさ。

それからたまごサンドは関西風のオムレツを挟んだタイプ。申し訳程度のキュウリとマヨネーズ。これはオムレツにバターがしっかり入っててうまァいんだな。

 

3日目は特にシブめだったな。は~、満喫した。

【よんどめだ京都旅行】サイクリングとうまいもん

2日目はレンタサイクル。

いろんなサービスがある中で、KCTP(京都サイクリングツアープロジェクト)で借りました。何箇所かターミナルがあって事前に予約できます。自転車の種類もいろいろある。

駐輪場、意外と用意してるとこが多いですね。鳥居をくぐった境内にあったりもして最初は戸惑うけど。市内も大きい道路とか特定の通りには自転車レーンがある。

聞くところによると、京都市は歩道と自転車レーンを拡張する施策をとっているそうで、そのために自動車の渋滞は以前にもまして酷いそうなので、車はオススメできない。

①本能寺 ハイ割愛!結び雁金かわいい。

↓ 🚲 20min

糺の森

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ただすのもり。きれいな森。下鴨神社の境内にある鎮守の森。ここも含めて下鴨神社世界遺産です。

落葉樹が多くこの時期は明るい緑の木漏れ日に包まれております。小川でメタリックグリーンのボディとオレンジの翅がきれいなカワトンボを見つけた。こういう土手が自然なせせらぎってほんとに見ないですよね。こんな街中で。ヤゴもさぞかし羽化しやすいことでしょう。とても気持ちがいいです。

平安時代の祭祀遺構や縄文時代の土器なんかも出土していて、むか~しから人が関わってたんですね。

 

賀茂御祖神社下鴨神社

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上賀茂神社という神社があります。その祭神様の両親を祀っているので、かも・みおや・じんじゃと言います。創祀は紀元前だそうです。グレートですね。

この日は5月5日、端午の節句。5月15日の葵祭に向けて、下鴨神社では歩射神事という行事が行われていました。写真は開始前の行列。門の写真撮ってたら背後からゾロゾロ現れてびっくりした。

お父様の方の神様の化身である八咫烏はサッカー日本代表のマークで有名ですね。

八咫烏さんなら、も~ちょい、グッと来るお守りが用意できる気がする。

しかし葵祭って平日とか関係ないんだもんねえ、行ってみたいなあ。

 

④みたらし団子

みたらし団子は、下鴨神社境内の御手洗(みたらし)池に由緒あり。

その池からは、泡がプク…プクプクプクと湧いたそうです。その水泡ひとつひとつを団子にしたのがみたらし団子!神社の直ぐ側にある『賀茂みたらし茶屋』ではそんな ―○○○-○- というプク…の間を絶妙に表現したお団子が食べられます。昔から神社にお供えするそうです。

でもこれ、注意して焼かないと串出てる部分焼け落ちちゃうから結構大変そうだよね。泡のイメージで、ひとつひとつが小粒でたいへんに美味しいお団子でした。

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でも~実は~「磯巻」に感動!うまい磯辺餅に山椒!うまーい!絶対家でもやろ!

 ↓ 🚲 15min

清明神社

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シャーマンキング大好きなんです。

あー、写真ちょっとわからないかな、屋根の金具のところも☆が入ってるんです!五芒星超ポップで最高!入り口の、鳥居もまたいいんですよ~、普通なら神社の名前を毛筆で描く所、☆マークのみ。超かっこいい。

↓ 🚲 5min

⑥蛤御門 割愛!ちょっと見ときたかった。

⑦護王神社

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蛤御門の斜向かいにあって「足腰御守」という幕が見えたのでなんとなく立ち寄りました。ここに祀られている和気清麻呂公、めっちゃ普通に良い人って感じなので興味があれば調べてみてください。

政略に飲まれ脚の腱を切られた清麻呂、どこからともなく猪が現れ彼を助け、不思議と脚の怪我も治ったために、狛猪。

↓ 🚲 10min(でも駐輪場有料・ちょっと歩けばスーパーあり)

⑧二条城 割愛!

神泉苑 割愛!

↓ 🚲 10min

錦市場

レンタサイクルここで借りたので、ゴールです。

商店街だから、あんまり夕方過ぎるとお店閉まるかも。

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一番よくある場所とアングルで撮りました。

はもカツ、はも天、厚揚げ、玉子焼き・・・いろいろ食った。なかなかの人出。突き当りに錦天満宮があります。

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お腹いっぱい過ぎて翌朝食べたけど、ちょーうまいクリームパン。黄身!って感じ。「三木鶏卵」にてタイミングよく買えました。商店街往復したら、戻ってきた時には売り切れてましたね。

【よんどめだ京都旅行】 鞍馬から貴船

GWに京都に行ってきました。

四度目ともなると有名所は行き尽くし・・・とはならないんですね。さすが。しかし、だんだん行きたいところが各地に点在し始めて、コース取りには難儀します。

今回は、1日目は鞍馬から貴船までのハイキング。2日目はレンタサイクルで下鴨神社→二条城・御所→烏丸・河原町のエリアを周遊。3日目は東山→山科→東福寺エリアを電車で周りました。

さすがの京都はコンテンツ量がはんぱないので、テーマごとに記事をのんびり更新したいと思います。

 

鞍馬から貴船

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三千院には行ったことがあるのですが、京都中心部からだいたい同じくらいの距離。鞍馬までは電車で行けます。鞍馬から貴船まではお参りも含めて2時間位はかかるハイキングコースです。

まず最初の選択肢が、ちょっとしたケーブルカーに乗るか否かですが、乗ると由岐神社に行けなくなる。入り口の仁王門からわりと手前にあって、本殿までずっと九十九折の上り坂なので上から降りてまた引き返すのは骨が折れます。

鞍馬寺本殿から貴船まで50分くらいあるというのに、まず本殿までがすごく長く感じるので思いの外歯ごたえがあって楽しいです。30分位はかかるんじゃないかな。

この日は小雨でしたが、傘は邪魔だったのでレインウェアを着て登りました。パタゴニアのTorrentshell Jacketです。ベンチレーションが付いた防水仕様。森の中だからそれほど激しい雨粒は落ちてこなくて、下は普通の綿パンで大丈夫だった。インナーにハーフパンツ丈のコンプレッションウェア履いてたけどね。

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この辺りは地表近くまで岩盤質のため、木の根が地中に潜れないそうです。これを飛び飛び牛若丸は修行したわけですね。

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霧が濃くなってきたと思ったら現れたのが、僧正ガ谷不動堂。牛若丸が天狗と出会った場所とのことです。

 

鞍馬奥の院・魔王殿

山深い小堂。ひっそりとして安らかな雰囲気です。

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しかし!ここがヤバイ!なんとここには、人類救済のため650万年前に金星から地球に降り立った魔王尊が祀られているそうです。650万年前てあなた、やっと猿人誕生くらいですよ。モノリスモノリスなの?

この鞍馬寺、なにやら一般的な神社の由来とは一味違ってまして、光を司る毘沙門天、愛を司る千手観音、大地を司る魔王尊の3つの精霊を三位一体とした”尊天”がご本尊だということなのです。いや~ヤバイ匂いがプンプンしますよね!

更に出てくるワードが宇宙エネルギーとか六芒星とかサナトクマラとかウヒョ~って感じで流石に調べてみると、どうやら昭和初期~中期頃からこんな話になってきたようです。
当時の館長さんは若くして寺の統括者となったこともあり、かなり熱心に鞍馬寺の繁栄のため尽力します。その中で出会ったのが19世紀末にブームとなった神智学。これに強い影響を受け、戦後、鞍馬弘教なる新宗教を見出しました。
時代は流れ、アメリカ西海岸では60年代のヒッピー文化、それを受け継ぐ70年代のニューエイジムーブメントによりスピリチュアル系クラスタが爆発的に誕生します。この時、同じスピリチュアル要素を強く持つ神智学が引き合いに出され、新興宗教ブームとともにその文化が日本に輸入され、鞍馬の教義も強化され共有されていったのです
この系統の精神文化というのはかなり力強くて、現在でもヨガ、禅、菜食主義、カウンターカルチャーとしてのロック、エコロジカル、一部のフェミニズムなど「新時代」「未知のエネルギー」「気の流れ」的な神秘思想の源流になってます。
話がそれましたが、つまるところこの鞍馬寺は神智学の影響を受けた管長さんが見出した鞍馬弘教という新宗教(新興宗教?)を現在の教義としており、それがニューエイジブームによって盛り立てられてこんな電波ビンビンな感じになっているわけです。
ただし寺自体の歴史は相当に古く、過去にも宗門が変わっているお寺なので、何はともあれ、豊かな自然を頂く鞍馬山に対する山岳信仰というのが根本的なところにあるんじゃないかなと思ったりします。

 

KIBUNE

貴船神社はきふねじんじゃですが、地名はきぶねです。神社は水の神様を祀るので、濁らないそうです。

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神武天皇の母である玉依姫命タマヨリビメ)が黄船に乗ってこの地を訪れ、祠を造ったという伝説からキフネと言う様になったとか。鞍馬寺貴船神社の神のお告げで建てられたので、古刹である鞍馬寺よりもより古い神社だそうです。

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ほんとにきれいな所なので、水の神を祀るのももっともですね。秋には紅葉、七夕には笹飾りがあって、夏は蛍も飛ぶというのでそれは見事だろうなあと。そこで川床の鮎料理と来たら最高でしょうね。

奥宮の境内には中に黄船が入っていると言われる船形岩があります。船舶関係からの信仰も篤いようです。黄船で貴い船、キフネ。

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この日は5月4日。こいのぼりがありました。川の上流に滝登りの鯉というのはなかなかマッチしているんじゃないでしょうか。

貴船から帰る道が微妙でして、貴船神社前から15分位歩けば駅につくんだけど、鞍馬から山超えてるからキツイよね。奥宮からバス停まで15分くらいあるので、おとなしくバスで駅まで行って、そこから電車で帰りました。

 付録:レインウェアを洗おう

これ、トレントシェルジャケットだと思うんですけど、なんか今のモデルの方がリッチな感じがするな?

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防水でおなじみのゴアテックス的な機能を持ったH2Noというパタゴニア独自の素材を使ったウェアです。

縫い目も目止めしてあって防水仕様です。でもそれでは暑いので、内側からの水分は逃がすという機能があり、加えて換気用のベンチレーションが脇の下あたりについてます。

で、今回みたいに動く環境で使うことも多いので、木から落ちる雫とか、泥はね、汗なんかの汚れがつくのは避けられない。

でもこういうのって洗っていいのか?と調べたら結構洗えるんですね。

一応公式サイトにメンテナンスについて書かれていました。

パタゴニア:製品のお手入れ方法など

しかしリンク貼るだけでは味気ないのでざっくり説明しますと、

1.おしゃれ着用などの中性洗剤がベスト(柔軟剤不可・洗濯機可)

2.すすぎをしっかりする(洗剤の残りは防水性能に影響する)

3.熱をかけて乾かす(乾燥機・あて布をしてアイロン・ドライヤー)

ということです。

3が特に驚きポイントでした。個人的には。この作業は撥水性を取り戻すための作業らしいので、自然乾燥してからアイロンまたはドライヤーで大丈夫です。

こう、欧米基準で行くと洗濯物はふつう乾燥機にぶちこんで乾かすでしょうから、それに対応しているのは当然ってことなんだろうな。

 

名古屋旅行

旅行というほどじゃないんですけど、出張ついでに1泊して寄り道的なことをしてきました。なんか荷物が多くてあんまり快適じゃないですね。ロッカーとか使ったけど。

 

熱田神宮

草薙剣を祀る都会の大きな神社。日本三大神宮(いろいろあるけど)のひとつ。

大きい神社はだいぶ回った気がします。伊勢神宮明治神宮には行ってるのでこれで3社。出雲大社もお参りして、他に行った大きいところでは太宰府天満宮諏訪大社伏見稲荷大社厳島神社あたり。あと有名所では、賀茂御祖神社鶴岡八幡宮、八坂神社、住吉神社にも行きました。

行ってみたいのは、春日大社金比羅宮、北野天満宮住吉大社石清水八幡宮上賀茂神社宇佐神宮・・・まだまだあるな。

神社の何が好きかというと、長い歴史を伝え続ける場所だということと、その物語性ですかね。それから涼しくて静かで緑が多いところ。特に物語性については、最近いろいろ読んだり見たりする中で自分のテーマになっているところがあるので、より重要になってきてるかも。

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丁度、昭和祭という昭和天皇にまつわる行事でした。

朝の神社は特にいいですね。ひんやりしっとり清々しい。

下画像、同じ境内にある別宮の八剣宮はきれいな社殿がよく見えて良かった。

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日本モンキーセンター

飼育展示数世界最多のサル専門動物園です。犬山市にあるのですが、犬山に猿山・・・妙なめぐり合わせですね。ていうか名古屋旅行じゃないね。でも愛知県はほぼ名古屋県みたいなとこあるじゃん?(?)

園内は興味深いサルばかりなんですが、特に気になったサルを数種ピックアップしたいと思います。

 

フランソワルトン

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ベトナムラオス、中国にまたがる狭い範囲に生息。絶滅危惧種

葉っぱを主食とするリーフイーター。

頭頂部の冠毛がカッコイイですよね。そして白いモミアゲがエレガント。名前も含めてオシャレ。あまり人間には興味が無いっぽい感じでした。

 

ボリビアリスザル

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ボリビア、ブラジル、ペルーにまたがるアマゾン上流域に生息。

単純にかわいくて色が綺麗。毛がフワフワしてます。写真には写ってないけど、樹上生活でバランサーの役目をする長い尻尾も見どころです。

 

コモンウーリーモンキー

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アマゾン川中上流域に生息。絶滅危惧種

写真は後ろ姿だけなんですが・・・すごい哀愁でしょう。こいつの顔がまたシブイ。ゴリラのミニチュアみたいな顔してるんです。頭から背中にかけての短くてしっかりした体毛も何か他の猿とは違うものを背負ってる感じがしますよね。

 

ジェフロイクモザル

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メキシコ南部からパナマにかけて生息。

クモザルというとこいつかなという気がする。体が細くて手足と尾がひょろ長く、蜘蛛感がつよい。

ほんとに尻尾が器用でニョロニョロドゥルンドゥルン曲がる。一瞬キモ・・・と思うけど目が離せない動きをする。

村上春樹の夜のくもざるを読んだことがあるので、あの奇妙で不気味なイメージが付いてるんだろうな。名前がクモというところが一層落ち着かない気持ちにさせる。

 

この他にも沢山写真とったんだけどね。テナガザル類なんかはその運動能力の凄さはびっくりするほどなんだけれど、写真だとあまり伝わらないからねえ。

あとこの動物園は霊長類は控えめですね。マーモセットやロリスなんかの小型ザルが充実してて面白かった。

もともとサルって好きじゃなかったんだけど、その多様性なんかを知るにつけちょっとずつ興味が湧いてきたところです。それならいっそサル専門動物園に行ってみようと思って行ってみた次第。

福岡・湯布院

福岡と湯布院は1月に行ったんだけど、これだ!という写真が撮れなかったのもあって記事にしてなかったけど、気付いたら5月になってた。

 

太宰府天満宮

福岡空港は博多とか博多天神みたいな中心地に近くていいですね。

大宰府博多天神から電車で30分ちょっと。

比較的コンパクトな門前町があって、本殿までも距離が短くてお参りしやすい。

建物よりも、植物と自然が良いかもしれない。なんといっても梅だと思うけど、立派な樟もあるし、桜、菖蒲、紅葉も楽しめるらしい。1月初旬の旅行はねえ、どこに行っても風景はいまひとつなんですよねー。いっそ雪の地域に行くほうがいいのかなあ。

太宰府天満宮と、近くの竈門(かまど)神社はいろいろとデザインがすごいんですよ。端的に言っておしゃれでかわいい。お守りとか、案内所とか、公式サイトとか。特に竈門神社は縁結びの神様ってことで女性人気もあって、公式サイトはキレッキレのかわいさです。今まで見た寺社仏閣サイトの中でも群を抜いてますね。

なので行こうと思ったんですけど、初詣で周辺の道路が渋滞してまして、バスが全然来ない。歩くと30分はかかるし寒いしよくわかんないので断念しました。

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梅ヶ枝餅という名物がありまして、大宰府に祀られる菅原道真の好物だったそうです。大宰府に左遷された道真を見かねた近所の老婆が、梅の枝に餅を刺して軟禁状態の道真に供したという逸話からこの名前になったとのこと。したがって梅の味はしませんが、非常にうまいです。外側がパリっとしてる焼きたてが最高。非常にうまい。

神社入口付近の寺田屋さんのが美味しかったです。

 

博多天神

どう思います?この感じ、ちょっと入りづらくないですか?

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見学だけして、「屋台からはじめた人気ラーメン店」で食事しました。天神は繁華街でパルコの目の前に屋台があったりして謎。この都会と観光のミックスみたいなのってどこに行っても違和感ありますよね。

新宿にはよく行くけど、じゃあ新宿ゴールデン街で飲み歩くかと言われるとそれはまた別のジャンルというのと同じかな。

 

湯布院

湯布院ヘは、ゆふいんの森という特急列車で行きました。

そういうツアーだったので、こんな組み合わせですけど、福岡と湯布院ってめっちゃ離れてるから本来セットで行くもんでもないと思いますね。特急列車でワイドビューなサロンからビール飲みながら景色見たりするのが良いんです。車窓大好きなので。

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湯布院は、温泉好きからは賛否両論なんですね。基本的には人気観光地なんですが、そのいかにも観光地というのがいけ好かないという人々もいるようです。

たしかに、妙に資本が入りすぎているというか、いろいろと名物になるようなグルメなり土産なりを開発しようという旺盛な意欲は感じられるのですが、めいめいがいろんな方向で乱発してクオリティもバラバラと言う感じで小粒な感はあります。

写真はシャレオツチキン南蛮ですがうまいです。ピンクペッパーがめっさいい香り。チキン南蛮って宮崎名物だしなってのはあるんですけど、もうここはそれぞれのレストランや宿のクオリティ勝負に持ち込むのが正解かもしれませんね。

 

由布岳と金鱗湖

これといって目立った観光地が無いというのも特徴ですね。ほんとうに温泉宿が主役。目立つのは、湯布院全域から見える由布岳と麓の金鱗湖です。

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金鱗湖は朝霧がかかることがあり幻想的だということで、朝食前にひと歩きしてきました。朝焼けのなか、宿から立ち上る湯気と窓から溢れる暖かい光、キンと冷たい空気と静寂がいい雰囲気です。

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由布岳です。通りがけに会話したおじさんによると、写真のように冬の朝方は頂上付近は雲がかかっていることがほとんどだそうです。なので、初日の出を見ようと元旦に登る人も多いそうですが、おじさんはここ10年で1回しか拝めてないとのことでした。

由布岳はふかしいもみたいなモコっとした見た目がかわいらしい山だな、と思ったのですが、旅館の女将さんによると昔から仰向けに寝そべった女性に例えられるらしく、左側から長い髪、おでこ、鼻、唇、そして頂上にかけての盛り上がりが2つのおっぱいだそうです。そうですか・・・

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金鱗湖はギリ湖ってくらいのこじんまりとしたところです。冷水と温泉両方が湧き出しているから水温が高く、冬場の温度差で朝霧がよく発生するそうです。

この日は、微妙ですね。肉眼だともうちょっと見えましたけど、それでもウーンどうかなー?と言う感じでした。でも確かに、湖の一角からモワモワと霧が出ていて、あのへんで温泉が湧いてるんだろうな、というのはわかりました。

まあ純粋に朝の水辺というのはそれだけで趣はありますね。湖畔の宿から髪ボサボサの寝ぼけ女子旅4人組が赤い浴衣に半纏を引っ掛けて出てきたりして風情がありました。