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パリの空の下オムレツのにおいは流れる

石井好子さんの手により1963年に刊行されたエッセイ。

の、解説が面白かったのでご紹介。

元帝国ホテル社長の犬丸一郎氏。現在86歳。

解説のタイトルは「ヨーキャンの想い出」

仲間内ではヨーキャンって呼んでたんです。おきゃんな好子さんっていう意味でね。ヨーキャンの下の弟の大二郎君と僕は慶應の幼稚舎からの同級生で、昔から家族ぐるみのお付き合いでした。―242頁

こんな書き出し。口語調なのは、この解説の最後に(談)とあるように、談話を文字に起こしたという形だからでしょう。ニックネームの付け方に早くもノスタルジー。

「ラファエル150」という場末っぽい小さなクラブに、ルイ・アームストロングが出ている事も分かって、もう素晴らしくて二人で三回くらい見に行きました。ヨーキャンはそれ以外にも何度も通い詰めていた。そしたら最終日かな、アームストロングが「あなたたちしょっちゅう来てくれてたね。一番熱心でいいお客だった」って声かけてくれて。僕が「いや、実はこの女性は歌手で・・・」って説明したら、「じゃあ伴奏してあげるから、ちょっと歌ってごらん」ってステージにヨーキャンをあげたんです。それでたくさんのお客さんの前で、「二人の恋人」っていう歌を歌った。アームストロングのトランペットに、トロンボーンがジャック・ティーガーデン、ピアノがアール・ハインズ、ドラムがコージー・コール、そしてクラリネットがバーニー・ビガードという豪華メンバーとヨーキャンの、一度限りの「共演」でした。―244頁

うひょあー。かあっこいい。

食べ物エッセイの最後にこんなおまけがついていたとは。ホテルマンのエピソードってかっこよくてユーモアに富んでてチャーミングだったりして楽しいよなー。

あと、86歳の談話に(笑)をつけてたのが面白かった。あ、こういう感じでいいの(笑)。

語尾とかもインタビュー風で、すごく昔のエピソードに(笑)が付いてるのなんか新鮮だったね。