映画(今年4回目)

超高速!参勤交代

意外にも福島フィーチャー。方言のセリフが特徴で、かけがえの無い土地ってメッセージがそんなにいやらしくなくストーリーに重ねられている感じ。

ほのぼの時代劇って興行的にありなんですかね。イケメンものでもないし、殺陣がすごい(思いの外戦ってたけど)映画でもないし。コメディとしてもブラック感がほとんどないしで、かなりマイルドだったけどそれにしてはよくやったなという映画でした。無傷で見ることができます。

 

複製された男

えええ~なんだこれ?????

超面白いし全然いみわからん。煙にまかれる。

蜘蛛のモチーフが、これがあまり直接的な比喩じゃないっぽいのが難しい。スパイダーって言うと女性的、罠、束縛、迷い込む、騙される、とかそんなイメージだけど、まるっきりそんな話じゃないんだよな。

あるとすれば、蜘蛛=女性として扱われているのは間違いないし、そこにエロス的なニュアンスが込められているのも確か。でもそれだけで蜘蛛っていうのはどうなのかな、逆に「女性の罠」としての意味合いではない雰囲気だし。

一方で、街全体が、あるいは男の複製を可能とする“この世”全体が蜘蛛の支配下というような描写もみられるから、“運命”とか“ネットワーク”という線はあり得るかも。でも、それにしてはネットワークがもたらす「何か」についてのメッセージはそんなにないし、運命にしてもすんなり腑に落ちる因果関係というと微妙だし、善悪について断罪するというようなつもりもなさそう。

残りの引っかかってるけど分からない点を書いておく。

・アダムの講義の中の「快楽」「情報・教育を制限」が示す意味。

・アンソニーの妻は妊娠しているのに対し、アダムの彼女は拒否した。その対比。

・各シーンで指輪をしているかしていないか、見返すと鍵になるシーンがあるかも。

・ブルーベリーにまつわる母の関与。アンソニーの母の話題がチラチラ出るのが気になる。そして冷蔵庫のブルーベリーを見たアダムはため息をつく。

・アダムの母の「三流役者」発言、アダムが説明しただけかも知れないが、あえてそこは明確にしていない。それを聞いたアダムのリアクションが思い出せない。

・アンソニーの妻が浮気を疑う場面、ただの勘違いで終わりなのか。

・最終的には、物語の時系列がすべて正しかったのか。順序通りなのか。

こんなかんじで、観る人を突き放すような内容や演出がありつつも、でも何か手がかりがあるんじゃないかと思わせるリアリティのバランスが絶妙です。公式サイトにネタバレがある。そろそろ見ようかな・・・?

関係ないけど、ロケ地はカナダなのかなこれ。なんというか、日本的な秩序と無秩序が混在した雰囲気があるような。カナダの町並みと日本の町並みって意外に似ているのかな?感覚的にリアルな風景といびつな音楽がフワフワフラフラする心持ちにさせる独特の雰囲気があった。

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ネタバレ見ました。ああ、合点。

惜しいな引っかかってたところ。それと、「束縛」をもっと考えればよかった。そして根本的に意識しなきゃいけなかったのは「カオス」かな。これが揃えば導き出せそうな気がします。こんな簡単な事が・・・クヤシス・・・

 

パガニーニ 愛と狂気のバイオリニスト

奇跡のキャスティングだなこれ。セルフプロデュースという側面があるにせよ。

一番の見所はなんといっても演奏シーン。舞台での演奏もだけど、酒場のシーンも狙いに狙ったストーリーながらマジで魅せる。それから、ヒロインのシャーロットの歌のシーンもなかなか感動的。この映画自体、パガニーニ役のデイヴィッド・ギャレットがクラシックはこんなにも情熱的な音楽なんだと伝えたいという意図があるという事だけれど、この歌のシーンは器楽だけじゃなく声楽曲もいいものだなあと思わせるシーンでした。

ただし!ストーリーの方はかなりあっさり。モーツァルトの生涯を映画化した『アマデウス』とは重厚さが全然違いますね。彼が異端としてどんな扱いを受けてきたのか、なぜ女とギャンブルに溺れるのか、どんな失敗をしてきたのか、その辺りはさらっと終わってしまって、後日談の切なさもそれほど響かない感じがする。

映像もセットも小道具もなかなか良いし全体としてチープさは全くないので見て損はないけど、もっと輝けるテーマだったんじゃないかな、とは思う。

 

オール・ユー・ニード・イズ・キル

おもしろい!トム・クルーズっぽいw

タイトルはビートルズだと思うんだけど、アメリカでのタイトルはEdge of tomorrow*1でぜんぜん違うんだね。確かに殺しの映画だと思われると損な内容だな。というかそもそもジョークとしてアメリカに受けるようなタイトルじゃないのかな笑

原作が日本のSFラノベなんだけど、内容もこれテレビゲームがモチーフで要は死んだらリセット、ただしプレイヤーのスキルは上がる、というバイオハザードでも使われた筋。

これは本当、ハリウッドでやるべき絵面のストーリーで、見事、よく出来てる。ただ欲を言えば、敵がもうちょい獣感があると日本的だったなあというか。よくも悪くもハリウッドが作るとクリーチャーになるんだよね。英語で言ってるだけやんけ、と言うことじゃなく、あのウネウネした気色悪いのってみんな見飽きてませんかね。というはなしです。

日本はもうちょっと、コウモリの翼とかブタの鼻とか爬虫類のウロコみたいなものを敵キャラに組み込むので、少しだけ親しみが持てるんだよな。それをバタバタなぎ倒していくのは絵的にどうなのかという問題もあるのだろうけど、ちょっとね。バラエティーに欠ける気がします。あの映画のあの敵!って言えるようなのを作ってくれたら面白いのにな。

 

アメリカン・ハッスル

クリスチャン・ベイルを愛でる映画

彼は役作りの鬼で有名。あのバットマンでみせたマッスルボディがとんでもないドテっ腹、あられもないハゲ頭。なんかよくわからないけどかわいい!

タイトルとかプロモーションの勢い的には華麗な詐欺師って話に見えるんだけど、案外テンポ早くないしそこまで大風呂敷広げたりもしない。しまい方も至って現実的。ということでちょっと期待はずれになる人もいるかも。

でも・・・クリーニング店の雰囲気とか、マジで頭にくる嫁のトンチンカンとか見ていてすごく楽しい。あと市長の70年代感がものすごくてオワーってなる。市長・・・

 

るろうに剣心 京都大火編

前のやつも見てます。マンガやアニメの実写映画化の中ではかなりいい線いってるシリーズじゃないんでしょうか。いや、そんなに比較対象知らないからわかんないけど。

前回はオープニングシーンの人斬り抜刀斎だった頃、血飛沫が鮮烈なアクションが良かった反面、不殺になってから地味になったなあというそれを言っちゃあ・・・という感想だったのですが、今回は全面的に不殺です。なので映画の中での尻すぼみ感はそれほどありません。あえて言うなら、敵が雑魚ばっかでした。次回で全部倒せんのかよ。

一番良かったところは首吊りの村で大立ち回りするところで、敵の頭をゴンゴンゴン!と柱に三度高速で打ち付けるところですね。おほって感じがある。

逆に悪かったところ、これはみなさん疑問に思っただろうけど、神木きゅんもとい瀬田宗次郎との戦いでグルグル回るシーン、純粋にウケるので一瞬困惑します。グルグルバットやってるみたいです。仲良さそう。

しかし小道具大道具衣裳など完璧っす。時代劇ってそういうところ好きな人にはたまらないわけで、漫画原作ならではの大げさな演出も含めごちそうさんでした。

 

処刑人

ジーザス。敬虔なクリスチャン兄弟が神の啓示を受け悪を処刑するという話。

アメリカでもキリスト教って中二病ぽいニュアンスあるの?ある意味ヤンキー映画じみている。FBIがウィレム・デフォーなんだけど大味感が凄い。テレビドラマの映画版っぽい部分もあるな。

カウチポテトじゃないけどもうちょっとこれはラフな感じで見ればよかったかな。ビールが冷えてなかったので仕方ない。映画が見終わった頃にちょうど冷えたので次の映画は飲みながら見たよ。

 

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカレニングラードカウボーイズ・モーゼに合う

馬鹿すぎる

アキ・カウリスマキがよくわからない。コメディ映画だけど、もうあさっての方向に向きすぎてるしとにかくこれは映像を診てもらうしかない。いま誤変換で診てもらうになってるけど間違ってないよもはや。

ツンドラ地帯のしがないバンドがビッグな夢を目指してアメリカに旅立つロードムービーを装っている。しかしこのバンドのメンバー、全員が巨大なリーゼントでリーゼント様に鋭く尖った靴を履いてる。トンガリ靴どころじゃない。このようなあからさまな出落ちにも関わらず、1本1時間半もある。あわせて3時間。常軌を逸している。

そんで内容がドタバタコメディならまだしも、退屈なんだこれが。あと演奏は意外に良い。というか結構良い。2作で結局いろんな国を回るんだけど、行く先々で地元の音楽を取り入れてくのが面白い。この映画をきっかけに、出演したバンドマンたちはバンド名をレニングラードカウボーイズに変えフィンランドの人気バンドになりました。まじか。

この映画をご覧になる時は、できればバドワイザーかコロナかウォッカを用意して臨んでください。

*1:ここから更にソフト販売時にLive Die Repeatに改題したらしい