映画レビュー大盛り

年越しに向け準備していた下書き放置してたので、無理やり再利用します。

まずは最近見た映画。ちなみに、映画館かDVDかは関係なしです。見たやつ。

1.旅人は夢を奏でる

ミカ・カウリスマキ監督。弟のアキ・カウリスマキの『ル・アーヴルの靴磨き』は僕の2012ベスト映画3本指に入る映画でした。

どちらかというと、お兄さんの方がポップで大衆向けな映画じゃないでしょうか。解説を読む限り、恐らく出演者も今回の方が地元フィンランドのスター起用みたいだし。

内容は父と息子のロードムービー。ストレートです。しかしロードムービーってはずせないジャンルのひとつだなあ。長い道のりを走っていくと、余計なものがどんどん剥がれ落ちていく。どれを見たってだいたいそうだけど、こういうのって時々体験したり思い出さないといけないですね。

でもこの邦題はなんだろ。原題はROAD NORTHでシンプルなんだけど、どの辺で夢を奏でたのかなあ。二人とも束の間の旅人だし。

 

2.鑑定士と顔の無い依頼人

これはですね、ネタバレしちゃだめ系のやつなんでレビュー書けないんですよ。

でもおすすめなので、紹介はしておきます。この映画に出てくる「オートマタ(オートマトン、機械仕掛けの人形)」というアイテムがとても好きでして。観終わると、この作品全体がオートマタとして駆動しているという見事な仕掛けでうっとり。(本当はうっとりじゃなくてグサーってなったりします。)

でもこの邦題はなんだろ。依頼人の顔が大きな謎ってわけじゃないし・・・あえて煙に巻くための誘導だとしても、わざわざ邦題でアシストなんてお節介じゃないかなあ。

 

3.17歳の肖像

キャリー・マリガン推しなのに見てないので。今年は出演作品制覇するぞ!

一応、モノとしては一流の女優誰もが通る道?主演で挑むラブストーリーです。ただし、この作品公開時点で彼女は25歳。タイトル見てください。すごい!

童顔だしね。この1年あとの『私を離さないで』でも結構若い役やってます。

この作品でアカデミー賞の主演女優賞を受賞しているんですが、照れてる演技とかああ~一流だわーって感じありますよ。完全に甘い採点ですね。年齢のおかげか、ふつうこういう映画のパターンよりもちょっとストーリーに影があったりもしていいです。

ちょっと影といったけど、これ場合によってはどん底転落ストーリーもありうるんですよ。あくまでフィクションだからこんなこと言うのもあれだけど、あんな失敗したあと関係者みんなに会って正直に話して助けを乞うなんてなかなかできないよなあ。ああやってできる人羨ましいな。というかなりたいなあ。

 

以下、2013年に見た映画ピックアップ

◇銀河ヒッチハイクガイド

2013年最高の出会いですね。英国おバカSFです。レビュー記事あります。

宇宙人ポール

おバカSF、もっと言うとコメディSFですね。何が違うかって、SFというジャンル事態をパロってる話なのでコメディとしての押しが強い所。

この監督、ホット・ファズって映画も今年見たな。これまたしょーもないコメディだけど結構楽しめるから暇でなんか映画ないかなーってときにオススメ。

まほろ駅前多田便利軒

ドラマをTVでちょいちょい見てて。深夜ドラマは大体気が抜けてるか狂ってるかで好きなんですよ。これは抜けてる方。ドラマの方が面白いっちゃ面白いね。ちなみに映画⇒ドラマっていう珍しいケースの作品です。

パルプ・フィクション

サブカル界でマスト映画とされてるこの映画。タランティーノの出世作だけど、さすが伝説になるだけあって面白いっすよ。アメリカのチンピラもの。ドタバタマヌケかつオシャレ。血まみれお掃除シーンがトマト祭りみたいで印象的です。

レ・ミゼラブル

すごい。これもレビューしてるんだけど、とりあえず見ておくべき2013映画のひとつ。密度とかメッセージ性とかの前に、エンターテインメントとしてこれだけやられたら評価しないわけにはいかないでしょう。幅広い層に訴えかける一次的な要素としては、「泣ける」映画であって、「鳥肌が立つ」タイプの映画です。

華麗なるギャツビー

原作好きだし、キャリー・マリガンがヒロインなので無条件で推しますけど。監督が監督なので多少大味なきらいもあるけど、悪くないです。キャリー・マリガンで言えば『プライドと偏見』もDVD今年見ました。それを見ても、やっぱり独特のきらめきがある女優さんだと思うので、2014年も推していきたいと思います。

明日に向かって撃て

2013年は西部劇を攻めていきました。ポール・ニューマンロバート・レッドフォード、この名演は痺れる。いくつか西部劇見たけど、その中で一番よかったし、これから西部劇を見る度にこの面影を探していく感じになるんだろうな。

◇ジャンゴ

一番新しい西部劇かな。タランティーノマカロニウエスタン。さすが血だらけ死人だらけになるドンパチ映画だけど、イカレたカッコよさはこの人だからこそではあるな。でもまあ、予想可能というかパルプ・フィクションのライブ感のある感動はなかったかな。

この他、西部劇関係では『ラスト・スタンド』、『ウエスタン』、『3:10決断のとき』を観ました。

許されざる者許されざる者

こちらは今回リメイクされた邦画版と、クリントイーストウッド版両方見た。原作よりリメイク版が好き。原作はかなり淡白。今作は開拓時代の北海道が舞台というのもあって映像美もこだわってます。アイヌ琉球というのは僕が興味ある縄文時代につながることもあってそれだけでポイントアップなんだけどね。

好きなシーンは序盤の牛鍋食ってるシーン。西部劇のバーをこういう形で表現するのか~とニヤニヤしつつ、モヤシ野郎が小便漏らしたりと原作/西部劇のセオリーをしっかり押さえてて、マジメだけどお約束も忘れない姿勢が好感度高い。このモヤシ野郎は半沢直樹でも評判の近藤役、滝藤賢一さんです。オドオド演技で右に出る者はいないっすね。

今回のリメイクがしっくりくる背景として、日本のヤクザ(任侠)映画が西部劇をもとにしてきた歴史があるんですよね。逆もまた然りですが。一概に似てると言ってしまうと任侠ファン界隈からは批判を受けそうだけど、西部劇を見るきっかけは2012年にアウトレイジを見たのが大きいので、切っても切れぬ関係はありますよ。

なお、一般的には今回のリメイク版そこまで評価高くないようです。個人的にはリメイク版の方が筋が通ってる(作品中では結局筋が通ってないという演出も含めて)と思うんだけどなあ。ままならない哀しみ、いかがでしょうか。

◇凶悪

最近これ系のタイトル増えてるのどうなの。とりあえずグロい方向で集客しようという感じで安直だなあという気もしてます。でもこれはまあ予定調和というか、ピエール瀧リリー・フランキーって時点でああ、なるほど・・・ってなるその予想まんまの話。主人公の記者が山田孝之というのも予想通りにおかしくなるので安心してください。悪くないけど新規性もどうかなという感じです。

山田孝之の家庭については事件への対比なんだろうけど、尺の問題か描き方があっさりすぎて、ともすれば「そりゃそうなるでしょ」で終わっちゃうんだよな。もうちょいうまい事納まればよかったよね。

東京家族

飛行機の中で見たけど、暖かい話ではあるものの現実に訴えかけるリアリティがない気もします。人生大変だけど頑張ろう、という大筋に対して、現実の大変さはこんなもんじゃなくてもっと複雑でどん詰まってるわけで、金八先生なんかと同じく、いまリメイクする難しさにぶつかっている気がします。なんせ蒼井優がいい子すぎるからなあ。彼女にもひとくせあったらまた味が出たのでは。

今から大人に反抗する若者的な事言うけど、昭和の感性ってのは、男のダメなところを包み込んでくれるお母さんを求めすぎているような気がします。いや、今もみんな求めてるのかもしれないけれど、それをこういう形で表出させる事にちょっと抵抗があります。

◇リアル 完全なる首長竜の日

謎すぎる。作り手側には哲学がありそうな雰囲気はあるけど、こっちの視点をどこに置いたらいいかわからない感じ。ミステリー、サスペンス、SFが混じり合ってて・・・と思ったけど見ようによっては単なるジュブナイルものだな。夢と現実って意味でインセプションと対にしてこれはタメはるぞ的に論じてるのもどこかで見たけど、完全にエンターテインメント性で差があるっしょ。

あとは、首長竜好きだから期待してたのに悪者だったのでショックでした。

恋する惑星

 素敵だ~。2部構成というか、2つお話が入ってます。前半の方はかなり渋い感じで、たぶん後半の方だけでいいんじゃねって思ってる人多いと思います。おれも。

いや、嘘、退屈だったのは本当だけど、あれはあれでいい味出してるし、踏み台みたいにしてあれだけど、次のフワフワガーリーなお話の準備として丁度いいです。

フェイ・ウォンがかわいい。アジアの香りでいっぱい。音楽と音楽の使い方が最高。超オシャレ。出てくる感想は大体同じでしょう。なっかなかないタイプの恋愛映画です。これ言うとチープになる感じするからまだ見てない人には申し訳ないんだけど、この時のフェイ・ウォン上野樹里に似てるよ。見た目も役柄も。

しかし、これ観る前に香港行っちゃったんだよな~。エスカレーターとか行ったよ~。もっと言ったら重慶マンションの隣のホテル泊まったんだけど~。重慶マンションの両替所で両替したんだけど~。・・・まあ行ってるんだからいいか。

 

ああ!長すぎるけどとりあえず吐き出しちゃいました。お疲れ様でした。