パクチー

最近、朝が早い出張の時は、東京駅のグランスタにあるMango tree Kitchinというガパオ屋さんで朝飯食べていくことがある。

簡単なイートインスペースがあるお店で、目の前が総武快速から新幹線乗り場に向かう通路だからかなり人通りが激しくてあんまし落ち着かないんだけど、朝の駅だから通勤の人もみんな前だけ見て急いでるし、こっちもさっと食べて出るからまあいいかなと。

ガパオ屋さんといったけど、食べるのは専ら「朝のタイラーメン」。

ガパオが800円で、タイラーメンが500円だからね。500円でも朝にかける金としては高いし。

このタイラーメンにはパクチーがぱらぱら程度入ってるんだけど、どうですか、パクチー。

パクチーって、少なくとも一般的な日本人のファーストコンタクト時には「臭い」意外の感想出ないと思うんですよ。雑草かと。ドクダミかと。

エスニックでオシャレだから、通な感じで大人っぽいから、東南アジアにぶっこまれて、等々のきっかけで好きなフリをし続けるといつしか好きになってしまうんですが、この感じ、わりと好きなんですよ。

これを「食べこなす」というふうな言葉で意識してるんだけど、スポーツではじめはできない技をできるようになったり、怖いけどお化け屋敷やジェットコースターで遊んだりするのと同じで、はじめ何らかの刺激が強くて食べられないものを段々食べられるようになるというのは、なかなかスリルのある体験だと思うんですよね。

だから、無理しすぎる必要はないですね。我らが日本は飽食も飽食、食べることはエンターテイメントですから、スリルとして楽しめる範囲で苦手な食べ物や食べ方にチャレンジするのがよろしい。

というわけで、嫌いなものを無理やり食べさせたり、嫌な気持ちで頑張って食べるというのは好きじゃないので、気が向いたときに程ほどに試します。

 

そんなこんなで話は戻って、パクチーについてはかなり慣れてきたんです。

今週食べたタイラーメンで、ぐっと距離が縮まった感じがしてる。まだ頬張れないと思うけど、「臭い」という感覚が薄くなり、独特の香りがアクセントになって、ちょっと美味しいかも。

香味野菜としては、セロリがふつうから積極的な美味しいに変わってきたり、茗荷が好きになってきたり、以前は好きじゃなかった生姜が強めに効いてる料理も好んで食べるようになった。これらはほんと、大人の食べ物ですよね。腹の足しになってる感じが全然しないけど、香りを食べるというのは贅沢なことですよ。

食事20年もしてると段々飽きちゃってスリルを求め、さらに年を取ると素材本来の味とかなんとか言っちゃって、かすかな土の香りだの滋味のような気配みたいなとこまで味わおうとする、貪欲ですね人間。