『メイスン&ディクスン』の膨大な目次

466/542頁くらいまで読んでやっとノリが分かってきた。いやいやくたびれた。最後の守護鴨は笑った。

 

トマス・ピンチョン。アメリカの覆面小説家で、現代最高の作家との呼び声も高い謎の人物。その作品は長大で難解とされることが多く、挫折する人も多い。

野暮な話、「ピンチョン読んでます」と言いたいがためにトライするよね。

実際読んでみて、まあ頭に入ってこないというか、この作品に関しては訳文が時代掛かった古い言い回しが多くて読みづらい。亜米利加とか、費府(フィラデルフィア)とかカタカナ語を漢字で書く。なぜって、原文が18世紀の英語(風)で書かれているから。なぜこの長大な物語をあえて・・・!!

 

全体の構成としては、のちにアメリカの南部と北部を分けることになる線を引くことになるメイスンとディクスンの冒険譚、あるいは珍道中。この軌跡に立ち会ったチェリコーク牧師の回顧録という語りの形をとる。

下巻に突入したところでやっぱり上巻を見直そうと思って、読み返しながらメモを取っていきました。

で、読み返してみると2回目は割と読める。笑いどころも分かってくる。途中で出てくる「亜米利加道中膝栗毛」なるジョーク(原文はどうなってるんだ?)、まさにそのノリ。メイスンの憂鬱症とディクスンの軽さと余計な言動が可笑しくなってくる。小難しい翻訳文かと思ったら、案外悪乗りパートが多いぞと気付く。

 

そのメモをせっかくなのでブログに載せようと思います。あんまりこういう記事を見て参考にしながら読むことはないと思うけど、あれなんだったっけという検索に引っかかって思い出すきっかけになったりしたらいいですね。僕は早くすべての本の中身にCtrl+Fができる時代が来てほしいです。

形式としては、番号が振られている各章にタイトルをつけて、簡単なあらすじまたはキーワードを抜き出します。上下巻で78章。ざっくりした目次のようなものになる・・・つもりだったのですが、1万字オーバーになったので通して読むと20分くらいかかりますね。なんじゃこりゃ。

ちなみに、僕も全然ちゃんと読めてるわけじゃないのでミスリードというか誤読している部分は多々あるかと思います。実は Thomas Pynchon Wiki | Mason & Dixon という超優秀なピンチョンWikiがありまして、メイスン&ディクスンの章ごとの注釈が書かれているのですが、英語が読めない!ので十分役立てられず、大きく見劣りする自前のメモで我慢する次第です。

上下巻本編1,094ページ、少なめに見積もっても50万文字以上。前述のとおり上巻を読み直したり途中しばらく間が空いたりもして、かれこれ10カ月程かけて読み終えました。最後にはしんみりしちゃったなあ。人生初の大河的読書ですね。新聞なんかの連載小説を読むのってこんな感じかしら。

以下、[続きを読む]から膨大な目次スタートです。

 

 

第一部 緯度と出発

 

1. 1786年クリスマス・フィラデルフィア

チェリコーク牧師語りの場。牧師の妹エリザベスの家。

夫はルスパーク氏。双子のピットとプリニーと姉のテネブレー。

1775-1783年の独立戦争から3年後。

チェリコーク牧師は旧友(メイスン)の葬儀の為にやってきたが、埋葬には間に合わなかった。

2. ディクスンからメイスンへの手紙

そしてメイスンからディクスンへの手紙。

※後から見ると実に滑稽なやりとり。

3. ポーツマスの宿で/喋る犬LED

ロンドンの南西に位置する港町。

ディクスンはイギリス北東部ダラムから都会にやってきた。

メイスンは毎週金曜日タイバーンの絞首刑場に通っていた。

博学英国犬、the Learned English Dog = LED、またの名をファング。喋るノーフォークテリア。

4. 海馬号のスミス船長と二人/ルグラン号との遭遇、海戦

スマトラはベンクーレンへ向かうはずの船が襲われる。

辛くも海馬号はプリマス海軍工廠へ帰る。

5. 王立協会への手紙を書きながら/教友会と聖公会

メイスンとディクスンは今回の事態に対する疑念と抗議を共同でしたためる。

間髪いれずに協会からの冷たい返事。

6. 無慈悲な王立協会/船はいずこへ

今度は武装帆船の護衛付き。海馬号の新船長はグラント船長。

船は水とワインを積むべくテネリフェへ向かう。

船の行先は士官フォプリングが手渡した封印文書に書かれている。

開封するのはテネリフェへ着いてから。

再びのルグラン号。奇跡的な横笛。船上の奇人たち。赤道越えの儀式。

7. ケープタウン奴隷制

オランダ東インド会社の官吏ボンクの警告。

寄宿先のゼーマン家の奴隷が脱走し、フローム家で食事をとる。

コルネリウス・フロームと妻ヨハンナ、そして三人の娘達。

ここでは経度を最大限正確に確定するのが目的。

メイスン、妖精五名に惑う。夢でクリイスを得る。

一方ディクスン、ケチャップを得る。

※非常に示唆的な章。奴隷制の批判、エセルマーの宗教論評。

8. ディクスンのケープナイト

"闇の中 飲んだり食べたりマレー人、

東方から届くスパイスや野菜の御馳走、

地獄の炉端ほどホットな胡椒やら、

パパが教えてくれない食べ物がどっさり、

孔雀のカリーにレイヨウのラグー、

ビリンビンのピクルス、それにタマリンド

ボーボティ、フリカデルに、ヤマアラシの揚物、

コンスタンシアワインをなみなみ注いだグラス、みんな歌うよ、

その皿取っておくれよな、

ボウルを渡しておくれよな、

そっちのビンも飲もうじゃないの、

丸パン一つ投げとくれ、

広い空の下、鱈腹食って、がぶがぶ飲んで、

星達は黙って過ぎてゆけ。"

※本編中の印象的な詩を引用

9. 雨季の訪れ/遥かスキャンダルーン

三姉妹は観測所に転がり込む。

メイスンとディクスンの金星日面通過講座。

10. 6月5日金曜日、翌6日土曜日 金星の日面通過

水星丸のハロルド船長が二人をセントヘレナ行きの船に誘う。

しかし“雨天無気力”の足止め。ヴィーナスの愛。島を出る二人。

ユーフリーニア叔母さんのトルコ冒険譚。

11. セントヘレナの風景と、絞首台に纏わる物語。

マスクラインの観測対象はシリウス。この島における天頂星。

セントヘレナの住民は犬の下で生まれる”

貿易、奴隷制、絞首台。リトル・フロリンダとの再会。

※風景描写が冴えわたる章

12. コック・ヒルの飲み屋ザ・ムーンにて

こちない三人組。メイスンはマスクラインに不信感。

噛み合わないディクスンとマスクライン。

唐突な誕生日パーティー。時計のおしゃべり。

ディクスンは一人、ケープタウンへ再び向かう。

13. マスクラインの静かな狂気と星占い

ネヴィル・マスクラインの義兄はインドのクライヴ卿。

先の金星日面通過の際、セントヘレナでは決定的瞬間に雲がかかった。

マスクラインの落胆たるや。

星占いのネヴィル。「占星術天文学の淫らな妹なり」

メイスンとマスクラインは互いの出生天宮図を読む。

14. コルネリウスの狂気、それからジン

まさかのアウストラ。奴隷制内の奴隷制

カルカッタのブラック・ホール。

“敬虔な者は浮かれ騒ぎ、奴隷たちは自由を企み、会社の小役人どもは城を逃げて広大なる土地へと向かう”

15. セントヘレナにて、島の向こう側(容赦なき風の直中)へ

志願兵のドイツ人ディーターとマスクライン。

風の影響はメイスンにも。レベッカの声。

16. メイスンとレベッカの馴れ初め、セントヘレナのつづき

偉大なる八倍。

狼煙でアラビア帆船を捕まえジェームズタウン…ではなくブレーク=ネックまで。

17. ジェンキン耳博物館

1739年ジェンキンスの耳の戦争(英西戦争)の元凶たる耳

仄かに光を発する耳。耳ちゃんの大いなる欲。

マスクラインが予言するアメリカの仕事。

ペンシルベニアとメリーランド両植民地の境界を引く。亜米利加道中膝栗毛?

※かなりの悪ノリパート

18. ロンドン、故郷で

同胞たちから浴びせられる慣れぬ敬意。

ディクスンは早速帰郷。メイスンは迷いつつも故郷へ。

息子のウィリアム(5歳)とドクタ・アイザック(3歳)に再会。

ブラドリーは病が悪化しチャルフォードに於いて他界する。

スザンナとレベッカの死についての追憶。

19. 十一日の愚

暦の改定について。ジョージ亭での気の滅入る数時間。

20. 家族

息子たちはメイスンの妹のへスター叔母さん、その夫エルロイと一緒に暮らしている。

お節介デリシア・クウォール。下の妹のアン。パン屋の父親

21. レベッカとメイスン/再びロンドン

マスクラインの兄マンの住居で。ネヴィル・マスクラインはバルバドスへ向かう前夜。

新進気鋭のフランス人天文学者ラランド。

22. クリストファー・メア神父とウィリアム・エマスン

エマスン宅の客間でメアはディクスンを待つ。

後にメスメル博士によって広く実践される催眠療法について。

念力線(レイ=ライン)、空飛ぶディクスン。

ルッジェーロ・ジュゼッペ・ボスコヴィッチはアメリカで緯度を測ろうと考えている。

“イの字会”の野望。ジャコバイトの因縁。

23. <棍棒と鋤先>

ラド・オーフリーの友人のホワイク氏。ラドと母親のマ・オーフリー。

ディクスンは若いころ、大半の教区教会からその他の要所へと通じる秘密のトンネルを斥候し、そのときにラドに出会った。

ピッツァと満月と狼男。…伊達男?

24. ディクスンの父、ジョージ・ディクスン

ジョージとメアリ・ハンターの出会い。

22歳のジェレマイア、測量士見習の惨めでも気楽な生活。

しかし不安に蝕まれ、知り合い皆の信頼を裏切った過去。

いま、石炭船メアリ・アンド・メグ号でロンドン川へ向かう。

霧の中で見たアメリカ。注意深く進む船はロング・リーチへ。

25. 出発

メイスンとディクスンは1年半ぶりの再会。雨が続くロンドン。

契約書のサインが終わり、飲みに出かける。

 

第二部 亜米利加

 

26. アメリカ上陸

11月半ば、ニューキャッスルを経由しフィラデルフィアへ。

フィラデルフィアの娘達。船に群がる様々な思惑。

街は評判の伝道者マクレナハン牧師の説教の影響色濃く。

ホイットフィールドが来た頃、音楽の変化。黒人音楽。

27. フランクリン博士

二人は薬屋でフランクリン博士に出会う。

阿片入りの品と、ダフィ万能薬などを求めて。

それなら薬剤師ミスタ・ミスピックがいるとフランクリン。

コーヒー・ハウスに誘われる。

電気技師の御婦人方、モリィとドリィ…そろそろ潮時。

フェア・アンカー亭での硝子楽器。

ミスタ・タリーホーはヴァージニアのワシントン大佐を訪ねることを勧める。

28. ワシントン大佐

噂よりもまともな大男。召使ガーショムの特製パンチ。

不動産と境界線。ほとんど守られないブーケ将軍の宣言。

「アメリカ人は英国とも、戦わねばならん時はいつでも戦う。」

カーシャと豚の頬肉大盛り。“なかなかに赤い服”。

ワシントン夫人マーサ。タルト、マフィン、ジンジャーブレッド、フライド・パイ、ドーナッツ。

鉛の板と電気。イエズス会の通信技術と中国人。

29. フリー・メイスンと秘密の部屋

屠場にも出かけるメイスン。斬首モデルの蝋人形。

眠れずジ・オーキッド亭へ。ペンシルベニアの政治。

フランクリン博士の蓄電瓶ショー。

30. フィラデルフィア最南端の北壁

Red Pubic Hair 略して RPH ※意味わかりませんでした

ベンジャミン・ロクスリー氏とその職人たち。

シダー・ストリートの観測台建設中。

ディクスン、フラワー・ド・ルース亭にてドリィを発見。

「あんたのこと、メリーランドの人達が感心してたわよ。」

―特にセシリアス・カルヴァート。

Weird Geordie Powers 略して WGP ※「田舎北東人の不気味な力」

31. 聞くに堪えんチュンチュンいう音

珈琲館ザ・レストレス・ビーの真ん中に野次馬の輪。

コネストーガ、ランカスターでのインディアン虐殺事件。

犯人はパクストンボーイズ。

人間の最も邪悪な権利をも含む<自由>

<息をせぬ叫びの力>バグパイプ…。ジャコバイトの記憶。

32. 子供は眠る時間/エマスンの謎めいた包み/クロノメーター

止まらない時計。エマスンの呪い?

追いつめられるディクスン。博物学者ヴォーム教授は時計の謎にはついていけない。

土地測量士のRC。金の鎖の丁度最後の一片が中華麺のように…

※悪ノリ再び

33. 仕事!

クリスティアーナ橋のメアリ・ジャンヴィエ邸にて。

珈琲と政治。不滅と堕落の甘味。

1月8日、フィラデルフィア最南端から真西へ31マイル、ジョン・ハーランドの農地で測所を建設する。

4月、正確に南へ15マイルを測る。

5月、アレグザンダー・ブライアント氏の農地で新しい緯度を得、北に向けて再び境界線を測ってゆく。

6月、東西線の緯度(38度43分17.4秒)を見出し、チェサピークと大洋に挟まれた半島の中点に移るよう指示が下る。月末には測鎖の作業は中点からナンティコーク河岸まで北上。

問題は中点(ミドル・ポイント)から真北に伸ばした線が、ニューキャッスルの裁判所の尖塔を中心とする半径12マイルの円弧に接する点を特定すること。それが存在するならば。

ニューキャッスル、スペイン人がもたらしたもの。

7月、ずっと北へ進む。沼、蛇、湿気、雷雨。

8月、ようやく81マイル地点の向こうで測鎖を行う。

9月、10月、11月は接円点探し。

12月、ブランディワインのハートランド家に寄宿。不和の悪魔。

34. ランカスター

インディアン虐殺事件の跡を見るためランカスターへ。

ツアー最初の見所はダッチ・ライフル亭。悪魔の徴、逆さ星。

さすが教友会、奇跡の北東人。シガー。もしくはストゥギィ。

翌日、ディクスンが起きる前にメイスンは虐殺現場に一人立つ。

遅れてディクスン。この呪わしい場所を知る。

35. 歴史/乗合馬車/ホップ坑の物語

“真実を主張する者は真実に見捨てられる”

歴史は、童話作者や贋作者やバラッド作者らによって権力から遠ざけなければいけない。イソップが寓話を語るしかなかったように。

1964年から1965年にかけての厳冬に、チェリコーク牧師は測量士二人と再会した。

街には反乱の気風が広まり、暴徒の気配がそこら中にあった。

乗合馬車に乗り込んできた不思議な親子。

女の名はフラウ・ルイーゼ・レートツィンガー。娘はミッツィ。エッジワイズ氏の奇妙な瓶から熱々のコーヒーを受け取る。

夫のペーターはホップの乾燥坑に落ちてからある種の神の啓示を得て行方知れず。

彼らの農場はペンシルベニアとメリーランドの境界付近にあり、どちらに位置するかは測量士が来るまではわからない。隣人のグロートはこの機に乗じて農地を狙っている。

36. 測量隊付き牧師/サンドウイッチとクロワッサン

降りしきる雪の中、馬車は丸太づくりの大きな宿屋に着く。

ランカスターから戻った二人は牧師と再会し驚愕する。

亭主のノックウッド氏。酒場の様子は…

エッジワイズ夫人は手品が得意。旅回りの竈売りウイットポット氏。髪について議論するルイーゼとミッツィ。

フランス人シェフ、アルマン・アレーグルと気の短い若者ディムダウンがいがみ合う。ハリガスト地主「サンドウイッチ、我等が時代の聖体」。

クロワッサンから始まる一大叙事詩

37. 鴨

崇高で不滅で絶品の鴨料理を作ってきたアルマン。

そして“あの機械仕掛けの鴨、作った人”ジャック・ド・ヴォーカンソン。排泄もする彼の機械鴨は空を飛び、性と生殖の再発見によってついに自立をも得てしまった。

「鴨」について最も縁の深い二人。機械鴨はその存在を意識し始めた。当局はアルマンを囮に鴨を捕えたい。

当の鴨はアルマンに恋の仲立ちを頼む。しかしヴォーカンソンには近づくことは困難

いつからか鴨に守られるようになり…彼の守護鴨の情愛は深まるばかり。

※三度悪ノリ。特にいかれてる上に今後ずっと引っ張る。

38. フィリップ・ディムダウン氏

ディムダウン氏はこの三日間酒浸りだった。短剣を手にアルマンに襲い掛かるその瞬間。

婦人と料理人と鴨の三角関係。降り続く雪。澱んでいく空気。

ミッツィはディムダウン氏の短剣の煤を払い、刃を研いで渡す。氏の告白。

ディムダウン氏とアルマンの和解。ラミネーション。印刷機と自由。

39. ディクスンは南へ

ヨーク、ボルチモアを経由しアナポリス、ヴァージニア、ウィリアムズバーグへ至る。

ヴァージニアの人びとは王の圧政打破を叫んで立ち上がり、乾杯している。

トマス・ジェファソンとの邂逅。西線問題。なぜか輪投げ勝負。

40. メイスンは北へ

ニューヨークに着く。

なぜかアミーリアという乳搾り娘と食事。仕方なく「叔父さん」のもとへ送る。

“ムッシュウ・メイソーン”は望遠鏡を修理する。その場に次第に集まる人々。

彼らはアメリカとイギリスをめぐる代議制度について大議論。

メイスンはこの地の人々の中に「アメリカ」という自我が生まれつつあるのを直に感じる。

「-きっと旦那も、そんな筈はないって何年か信じていらした末に、苦い認識にたどり着かれたんでしょうね。―」

41. レプトン舞踏会

ルスパーク氏が商用で出かけたレプトン卿夫妻の鉄工場。

測量士二人は黄昏時に道に迷い、一軒の山小屋に行き当たる。

中に入るとそこには眩い光。シャンデリア、銀の燭台、飾り天井。「狂宴(ハリケーノ)」。

カルヴァートの代理人ダスプ大尉の忠告。レプトン夫妻が現れる。

42. 脱走、湯船の行き先

賭博に負け憤るメイスン。代わりに何か盗んでやろうとする。

湯船に目を付けたディクスン、不思議な力で鉄の湯船を持ち上げると、湯船をメイスンに任せて会談の様子を見に部屋の外へ。ほどなくメイスンはディクスンの煙草の臭いを嗅ぐ。続いて女性の声。暫くして現れたのはヴォーム教授と名乗る人物。

ホットケーキをおだてるメイスン…?

ルスパーク氏。シビレエイの衝撃。

※鰻がたまに出てくるのがよくわからない。エイじゃないの。

43. ああ天文台長の座

ニューアークに戻ると吉報と凶報。アメリカでの新たな仕事と、マスクラインが王立天文台長に昇進したとの報せ。-あの糞っ垂れクライヴの義理の糞っ垂れ弟、彼の第七位優等生、胆汁質で無駄口叩きの、人格の裏ばかり読みたがる阿呆、卑劣なる陰謀家(メイスン曰く)

44. <西線>測量のはじまり

1日5シリングで雇われたジョン・ハーランド氏。妻は夫の測量隊同行に反対ぎみ。

西線の参照点である薔薇石英を見分しているのはジョナス・エヴリビート。

出発は4月5日の金曜日。森を進むため何人もの斧使いが雇われる。モーゼズ・バーンは斧使い頭。

一週間足らずで西線はプライス氏宅に行き当たる。専ら家人の興味は家がペンシルベニア、メリーランド、どちらのものか。

45. 鴨の作用

<西線>沿いの住民たちは程なくフランス人の鴨に愛着を抱くようになる。

それは測量隊も同様、メイスンの憂鬱、迷える斧使いもみな鴨の影響下。

46. 親方相談室と若き青年の悩み

ナサニエル(ネース)はなぜか皆の怪しい仲介役に。父親アーチボルド・マクレーン氏の思惑は働き手としての一家への貢献。多忙と困惑を背負い悩む青年。

47. 西線を進む

一行は5月12日の日曜日に天頂観察を再開、29日まで続行する。

川を越える。雷が閃く。カペラの天頂距離測定。最新の指令、メリーランド北東端を確定せよ。

未だ乳搾り娘達に惑う若きナサニエル。麗しのギャラクティカ。楽園ならぬ酪園。

48. 東へ進む

5月29日、測量隊は再び東へ。肉体的刺激的珈琲か、腐りかけの葉っぱにぐつぐつ煮えた湯をかけるか。

6月6日、ジョン・シングルトン大尉の所有する、経線と緯線が交わるリース・プライス家からほぼ50チェーン東の草地に、西側に<西>、北側に<北>と記した杭を打ち込む。

<北線>は程なく完了。二人はサスケハンナに戻るよう指令を受け、今回は西線を「人の居住が途絶えるまで」延長せよという命令。アルゲニー山脈の頂点、1763年の宣言線まで。

ダービーとコープはメイスンとディクスンを騙りはじめる。ディクスンの測ちゃん。

6月22日、ピーチ・ボトム・フェリーの下流まで戻り、再び西へ向かう用意が整う。

そこへマスクラインからボスコヴィッチ神父著『日食と月食について』が送られる。

49. レートツィンガー夫人

サスケハンナ川を越えてアルゲニー山へ進んで行く。

コドーラスを越え、コネウェーゴを越えて、パイニー川を渡り、モノカシー道を渡り、ミドル川を過ぎた。此処はサウス・マウンテン。

サスケハンナを越えてから、ルイーゼが去った所為でアルマンはふさいでいる。レートツィンガー農場にはルイーゼの夫がいた。キリストを失った哀れな夫。キッチンサイズのゴーレム・・・?

※冒頭でしれっと嘘つくなよ。

50. プラハのラビ

ある時、酒場を探していたディクスンは「プラハのラビ」の本拠地に行き当たる。

ゴーレム、インディアン、詩人ティモシー・トックス。

51. 黒犬、米蕃、洞窟

サウス・マウンテンは幻影どもの最後の密集地。

ザ・ブラックドッグ。光るインディアン。

9月21日、サウス・マウンテンを越え、アンティータム川に注ぐ泉が点在する辺りのスタフェル・ショッキー氏宅付近で一行は歩みを止める。神秘の洞窟。

※ディクスンがかわいい

52. ものすごい一年

陰惨な歴史を抱えたコノコチーグ川の横断。ノース・マウンテンの中腹に着き、一帯を

勢力圏に置くエヴァン・シャルビー大尉に冬の間荷物を預ける。一行は東へ向かう。

初冬の橇遊び危機一髪。冬休み、クリスマスの時期にはハーランド家の近所の旅籠へ。

メイスンはディクスンにアクアの羽根付き帽子を、ディクスンはメイスンにクラレット用銀製甕を贈る。この冬はじきそれぞれ別々にアメリカの奥地へ向かう。

53. 彼女をめぐるバタフライエフェクト

女は米蕃に連れ去られる。川を越え、水辺を進み、冬にはケベックに着いた。フランス人、耶蘇会士、中国人。修道女ブロンデル、グランシューズ、クロジエ。<ラス・ビウダス・シリセ>。

54. メイスンに走る「悪の悪寒」

『蒼ざめた伊達男』を読むブレーとエセルマー

彼女は中国人の張と一緒に脱走することを試みる。川を下り、モホーク川に達し、スタンウィックス砦を、モホーク川上流のジョンスン城にたどり着く。

ウィリアム卿と対面。女の名はイライザ・フィールズ。デラウェア川沿いを下る間の安全を取り付ける。

やがて彼らは西線に行き当たり、側帯を東へ辿ると測量隊の一行と鉢合わせする。

彼女はジュジャ・ザボという若い女と相部屋になる。そして測量士二人もテントに顔を出す。

55. 狂乱の中国人

張はスペイン人のサルパソ神父に狙われていると言う。中国に来た耶蘇会士は風水を撲滅せんとしている。張はこの<線>は自然に反した、風水的に最悪なものだとするが、あくまでそれは張とサルパソの戦いの舞台でしかないという。

水晶占師エブリビート氏も参戦。チートとモノンガヒーラの周りの山に収まる鉛鉱石とオーライトについて。

セルマーの歌。ミスタ・ファーレンハイト

56. 十一日

メイスンは告白する。1952年の空白の11日間に独りで迷いこんだ事を。

57. ニューヨークのディクスン

1766年初頭、メイスンは南へ「田舎を見に」旅立ち、ディクスンはNYを目指して北へ。

ブロードウェイで『カルカッタブラックホール 又は気難しい高官』を観る。観劇後、舞台裏にふらっと回ったディクスンはそのまま娘達と馬車に乗り込み、グリニッジ街道をブレナンズへ。二日間に及ぶどんちゃん騒ぎ。漸く街に戻ればブロードウェイのモンテーニュ亭に辿り着く。そこは<自由の息子達>の本拠地。ヴォルケーノ大尉、ブラッキー、元海馬号前檣楼長ボーディーン、そしてあのフィリップ・ディムダウン。エールとヘッド。

58. ウィリアムズバーグのメイスン

『アメリカンズ・オール』いや増す独立の機運。

ウィリアムズバーグに着いたメイスンはウィリアム・アンド・メアリ大学に招かれ、州議事堂ではタスカローラ族の酋長達の一団に引き合わされる。

ウェザバーン氏宅に滞在するメイスンに一通の手紙。ワシントン大佐からのビリヤードの誘い。次から次へとやってくる人々。ガーショム、ネース・マクレーン。

59. ノース・マウンテン・スキャンダル

3月末、測量士二人がノース・マウンテンに戻ってみると相変わらずの混乱状態。原因は、トム・ハインズ、キャサリン・ウイート、そして2人の赤ん坊を巡るスキャンダル。

棍棒で女を殴る。いきり立つシェルビー大尉。結婚式。雪に尿で描くハート型。

※なんだこの話…

60. 九の呪い

シェルビー大尉に付き添われノース・マウンテンに入ると10日間の雨と雪。ディクスンは張大尉から羅盤を教わろうとする。ジョン・ラムトンと地虫の逸話。

61. ノース・マウンテン・ミステリー・ツアー

シェルビー大尉の案内で古代の塚を見に行く。早朝に。そこには大きな円錐形。土、灰、貝殻等々塵芥の層。羅針盤はぐるぐると回る。いるはずのない3人目の測量士。

※だんだん二人がじゃれ始めたぞ・・・?

62. オハイオ

雪の降る4月22日。寝言を知り恐怖するメイスン。スティグの秘密。

ヒックマン、ギブスン、キロー。三人のブラドック敗北の生き残り。

一行はサヴィッジ山の頂の2マイル手前に着く。この頂が測量仕事の果て。西起点から165マイル54チェーン88リンクの地点に杭を打ち込む。メイスンの不安、張大尉の予言。

6月14日、彼らはアルゲニー分水嶺に立つ。オハイオ、つまり無法地帯に入ってゆく。

「メリーランド」とは西はポトーマック川、東はチェサピーク湾を境とする枠に過ぎぬ。

現れた6人。いや7人。ブーケ大佐の腹案。

63. ビーバー男

8月4日、雷鳴と稲妻の激しい襲来。一行は再び東へ。

ガンパウダー・リバーの西で、バイター=ビット・クリークを渡る際に一軒の家の前を通り掛かる。満月の夜、この家の夫ゼフォー・ベックは妻のローディーを起こし、川辺へ赴くと白樺の若木に喰らい付き、恐ろしい勢いで齧り進むと木は倒れる。本物のビーバーの巣にそれを持ち込んで補強する。翌朝、釣池の畔に横たわっている姿が発見される。

カストランスロビー<海狸憑>。カストモーフィズム<海狸変態>。

8月5日、なぜか開催されるゼフォー vs スティグの伐採競争。

圧倒するゼフォー。しかしまさかの月食!みるみる人間に戻るゼフォー。

64. 義と和

遠い昔の中国(夏王朝の頃かも)の放蕩天文学者、義と和。千鳥足で帰る真昼の陽光で日食を予言し損なった事に気づく。帝から逃れ空を飛び不時着したのは黄なる大金持ちの所有地の中。食の予言で黄は儲け、2人の天文学者は巨額の富と性愛の成功をも収める。

65. キリストの誕生と天文学

11月の間、メイスンとディクスンは<東線>に携わる。ブライアント氏の畑の<西線>の起点から11マイル、20チェーン、88リンク。

12月初旬、彼らはハーランド家に戻り、王立協会の緯度の仕事に忙しく拘う。<西線>をアルゲニーの西まで伸ばせるかどうかはウィリアム・ジョンスン卿の裁量次第。

66. <線>最後の年

スティグはエグスラップ夫人に語る。ソルフィン・カルルセフニのヴィンランド入植の物語。原住民スクレリングを殺した北の者たちもまた破滅へ向かう。

西線をさらに前進する測量士2人と一行はこの地の幽霊の囁きを日ごとに聞く。もはや安全の保障一切が打ち切られる中を進んでいる。

しかし、彼らが<線>で過ごすのはこの1767年が最後となる。幾月もフィラデルフィアに足止めされたものの、7月にはアルゲニーの前面に再び辿り着く。

最後の春にはオクタラーラを経由し、レートツィンガー夫妻と再会した。ペーターとアルマンが遂に公に出会う。

7月7日、測量器具がカンバランドに到着。街は人でごった返している。2人はトマス・クレサップを訪ねた。サム・スミスとの戦い、息子のダニエル(40)、西へ来た経緯。これから仲間入りしてくるモホーク族への心得。西の酒は蒸留酒

喋る犬スネークは喋らない。今後誰にも見られないピーナッツ。

67. マジカル・インディアンズ

モホーク族を中心としたインディアンの一団が測量隊に仲間入り。10月末に彼らは六部族連合からの指令でこれ以上西には行けないと宣言する。この先に待つのは<大いなる戦径>。ヒュー・クロフォードの忠告。

インディアン達が言うには、太古の昔からイロクォイ族も境界として子午線を遵守してきたとのこと。ジェミーの「空釣り」の餌とディクスンの「驚異のブレッド・ルアー」。星座を見ながら。巨大植物。にんじんのヘタの上。ジャックと豆の木??

68. ルビコン目前

8月7日、189マイル69チェーンの地点でブラドック街道を横切る。さらに32マイル進んだ所で同じ道を横切り、翌日その1マイル35チェーン先で三度横切る。

天頂儀はスピアーズ氏宅に預け、2人は渡守のアイス氏を探しに行く。ヨキオ・ゲイニー川を渡る。幽霊魚。レッドストーン砦の太古の墓標。かつては直立して建っていたモノリス

そしてモノンガヒーラ川とチート川の間で次第に減っていく斧使い達。

69. 忍び寄る狂気

まだチート川の東にいた頃、1人の娘が追いかける鶏が<線>の中央で立ち止まり、頭を西に尾を東に向けぴくりとも動かなくなる。…もしやあの鴨の場合は?

トム・ハインズの木彫りの鴨が見事な効果。しかし幾日かして鴨は気付く。「木か。」
思わぬところでユーフリーニア叔母さんの過去。

ディクスンは地平線に憑りつかれる。そして遂に測量隊に死が。9月17日木曜日、ウィリアム・ベイカーとジョン・カーペンターはたった1本の木が倒れた所為で命を落とす。

天頂儀が届きモノンガヒーラ川の両岸で観測を行う。もはやインディアンにとっての見世物。夜、ダニエルの案内で団カード川沿いを進むとカトーバ族が毒を仕掛けた跡。

70. 西の終着点

更に進むか、引き返すか。

インディアンにとって、<西線>は木々を虐殺していく動物ではないのか。

10月9日から19日までダンカード川の畔に留まるが、戦径を渡って少し進む。

やがて西起点から233マイル、13チェーン、68リングに於いて、西の終着点に到達する。

もう少し先まで行けないか。器具も持たずに馬に乗り、夜明けに大いなる川―オハイオ川に辿り着く。現れたのはキャットフィッシュたち。手にしているのは金髪のヨーロッパ人の髪!(前に会いました)。

引き返す一行。側帯の最高度地点毎に石塚を築き、1マイル毎に杭を据えてゆく。

11月5日、側帯が完成しインディアン達は立ち去る。

11月9日から19日までは測量日誌に書き込みがない。すでに吹雪の季節。

ティモシー・トックスのゴーレムはどうやら実在しないようだ。

71. 帰還した二人

還ってきた二人はデラウェア川埠頭近くで酒場をはしごして回る。

二人に残された仕事は境界線地図の作成。メイスンは測量日誌を読み上げる。

北点(フラワー・ド・ルース)にまつわる薀蓄。アルマン闖入。彼は<西線>が奪った鴨を恋しがっている様子。

メイスンとディクスンはその後あと1年に渡って友好を保つ。しかし、ディクスンはアメリカに留まることを望み、メイスンはそれを望まなかった。

ディクスンは問う。ザ・ケープ、セントヘレナ、アメリカ、どこへ行っても共通していたのは何か。

※「秘密のマッサージ」爆笑

72. 奴隷商人/旅の終わり

水準義(レヴェル)について。

6月の末、二人は共に<西線>を越え南へ。ある物語が始動することになる、ボルチモアへ。

ディクスンは運命の奴隷商人と酒場で出会う。

ディクスンは行動することを選び、メイスンは行動しないことを選んだ。

路上で売れ残った奴隷に鞭を振りかざす奴隷商人。そこにディクスンは立ちはだかり、まっすぐ進んで鞭を奪い取る。奴隷をすべて逃がし、奴隷商人を追い払い、二人は一目散に駆け出し、馬に乗って街を去る。

暗闇の中、小さな木造の礼拝堂に二人は辿り着く。<線>の悪。<線>の富。メイスンに語り掛ける彼女の声。

すべての終わりに至り、ハリファクス定期船を待つニューヨークで二人は町中駆け回る。しかし前に会った人々は影も形もない。

1768年9月11日、午前11時30分、ファルマスに向かうハリファクス定期船に乗船。

73. 「愛は<線>を嗤う」

あったかもしれないメイスン&ディクスン。イタリアオペラ風。

西へ西へ進み、ついには冥王星を発見し、戻らぬはずの東へ引き返す。

戻った二人に大顰蹙。西起点では歓迎、<海線>「聖ブレンダン島」での余生。

※この章の位置付けがよくわからん。なぜここで空想?

 

第三部 最後の通過

 

74. ひとりのメイスン

メイスンは留まることを望まなかった。それで結局ディクスンも戻った。

1768年12月15日、王立協会評議会の会合に出席。

ノールカップ岬への派遣をメイスンは断る。マスクラインの要請でアイルランドに渡り、南アルスターから日面通過を観測する。メイスンに残されたのはディクスンとの別れと家族への償いの日々あるいは全てを失っていく日々。

ペニカムクイック卿の館。沼の決壊。聖なる井戸。彗星の徴。マスクラインもまた精神的に参っている。彼の名誉を奪うかもしれぬハリスン計時器によって。

※マスクライン-ライン=マスク

75. 4年ぶりの再会

メイスンはスコットランドのディクスンを訪ねる。

大きな鯉キャニーボブ。『鯉を掴め』。ウィア川で釣り。

それぞれの日面通過。食肉船で仔羊の死体に囲まれたメイスン。

ノールカップではベイリーと日面通過を観測したディクスン。ディクスンはハンメルフォストに赴いた。雪と雹と靄の世界。捉えたのは日面から金星が離れる瞬間のみ。

謎の目に誘われ北極から地球の裏側に辿り着き、地表でノームやエルフとされる人々に出会う。

76. スコットランドのメイスン

メイスンと時を同じくして、ジョンスン博士も1973年の8月、ボズウェルを従えてスコットランドに入ろうとしていた。

メイスンがマスクラインの為に発見する山。そのためにマスクラインは有名になり、伝説的存在になる。サパトンに戻ったメイスンは差し詰め魔法使いの弟子

77. それぞれの家庭

再開する二人の衰えは一目瞭然。ディクスンは痛風で足を引き摺り、メイスンは憂鬱症へと逆戻り。

マーガレット・ブランドはディクスンとの結婚を諦めている。ディクスンの娘が2人。メアリとエリザベス。一方のメイスンも再婚を報告。チャールズ・ジュニアも生まれた。父親も再婚し、なんと二人とも相手はメアリという名の女性。次の子ももうすぐ生まれる。

アメリカに移住しようという矢先、ディクスンの母が亡くなる。確実な仕事の口を請求に捨てる理由もなく、ビショップ・オークランドにあるビショップ卿の猟園と直属地の測量を終え、翌年にはランカスター入会地も測り終える。

ウィア川で釣りをする二人のもとに現れるテリア。メイスンの出発前に、一言残していく。

78. 父と子

なぜメイスンは唐突に家族を連れてアメリカへ戻ったのか。

ジョージ亭に宿泊するメイスン一家のもとへ訪れるフランクリン。メイスンは病気で寝込んでいる。妻のメアリはアメリカへ来た経緯を語る。

レベッカが二度と現れなかったこと。ディクスンの訃報。

新しい惑星の(再)発見とマスクラインとの諍い。

ディクスンを弔いに向かう道中、メイスンと息子アイザックは語り合う。

そうしてアメリカへ。

メアリは下の子供達を連れてイギリスへ帰るだろう。上の息子達はアメリカ人になるだろう。残って、父を死へと委ねるだろう。

 

 ◆おわり◆