うまい蕎麦を食べた

蕎麦は二・八が丁度いいのサ。

という向きの方は割りといるだろうし、僕もそう思わないこともない。

だけど、昨日食った十割そばはうまかったねえ。

 

長野。信州そば。

十割ってことでやや太めでざらつきのある田舎そば。これが運ばれてきた段でワッと香りがしてすごいのなんの。舌触りうれしくなっちゃうよな、あの粒感が。十割そばの醍醐味は、その滋味ですね。のどごしというより、ソバの実の穀物感のある、深いところからじっくり立ち上がってくるようなうま味を楽しむ蕎麦。

また山葵もい~い山葵で、やわらかなおろし具合。口当たりがよく、でも調子に乗るとやっぱりツーンと来るいい塩梅なんすよ。これをね、つゆに溶かすんじゃなく、そばにまぶして食べるんだって。これまた、香りが、活きて、いい。

そば湯もそこそことろみのあるタイプ。十割そば茹でてるだけあって豊かな味わい。そういえばつゆの味そこまで印象に残ってないな。とにかくそばの香りと味わいを拾うのに集中しすぎた。

 

ところで、ざらつきのある田舎そばの方がつゆを絡めそうな気がするけど、そうでもないかもしれない。なぜなら、細くて長い蕎麦は一度にたくさん掴めて連続するから、毛細管現象で麺と麺の間につゆ抱いてくるんですよ。

そしてさらに、食べるとき、細くて長い方が一気にズズッとすすれるのです。ということは、抱き込んだつゆが重力に負けて落ちてゆく前に口に運ぶことができるし、そのすする勢いでつゆも吸い込むことになる。

この吸い込む勢いというのもまた影響があって、吸い込むときに主につゆの香りをたくさん吸うことになる。だから、ダシの良し悪しがダイレクトに味覚にくると思うんだよね。

これに対して十割そばは、ひと噛みひと噛み、じんわりと広がるうまさが強み。今回その良さを十二分に味わうことができたのでこんなにごきげんなのです。

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このイメージ。細くてまっすぐな方がつゆを抱くし、すすると香りが舞い上がる。 

 

そばのね、水分が好きなんですよ。

あの~瑞々しさ。最後ざるにくっついてる細かいそば拾って食べるときにいっしょについてくる水分が清らかで淡い香りがして、ミネラル感?のようなものも感じてなんともいえない名残惜しさがたまらんのよね。

滋味っていうと捉えづらいけど、このミネラル感なんかは滋味の要素の一つかも。あとは、土の味(におい)とか、太陽を浴びた味とか、ほんとうはそうじゃないかもしれないけど、そんなイメージが浮かぶような味わいがそれにあたると思ってます。滋味、芯に来るおいしさにつながるので、ぜひキャッチしてみてくれよな!