映画レビュー:この世界の片隅に
言葉にならない
なのにブログに書くんかいなっちゅーね。
Twitterで感想が書けないことで話題のアニメ映画、『この世界の片隅に』です。
舞台は第二次世界大戦さなかの広島県呉市・・・「あっ、戦争モノかぁ・・・」と思った方待ってください、頼むから待ってください。ちがうんです。お願いですから・・・
火垂るの墓で一生の心の傷を負った御仁は多いことと思います(貶してません、影響力の大きさです)。また子供の頃からの教育と、いかにも感動をテーマにした反戦映画の数々に我々日本人は万年食傷気味であることは僕も身をもって実感しております。
それらの多くが戦争の悲惨さをクローズアップし、切り取り、目を背けたくなる事実を強引にでも記憶させる意図を持ったものであったし、テレビドラマや大衆映画としてはある程度商業的な判断が必要でもありました。
しかし、本作はちがう。前述のとおり、散々戦争の悲惨な場面を切り取った映像を見続けてきたはずなのに、ふわっとした絵柄で日常の愛しさに溢れるこの映画を見てやっと、当時生きた個人個人にとって、戦争、空襲、そして戦時下の生活がどういうものだったかを初めて実感することができたんです。悲劇だけを切り取った映画ではなく、大部分が暖かい生活の描写であったからこそ、私たちの生活と繋げて受け止めることができたんです。
なので、全くもって泣かせに来たりしません!結果的に泣くだけです!断じて「泣ける」映画じゃないです!そういうのやめてください!
公開5日目現在、ネット上は絶賛の嵐で人によってはTLがすごいことになってしまい、同調圧力めいたものを感じて引いてしまってる人がいるように見受けられます。
わかる。あんまりみんながすごいすごい言ってると斜に構える。
ただ、最近ときどき起こるこういう事態って、SNSが出来て初めて可視化された現象ですよね。その性質も相まって集団のベクトルが増幅されてしまう事もあり、あまり見慣れないコミュニティの大きなうねりに不安を覚えるのかもしれません。
それでも、そういう状況を超えてなんとか劇場にたどり着いてほしい。
◆なぜ言葉にならないのか
映画を見ていただければ実感としてわかるんですが、映画宣伝の常套句みたいなものが何一つしっくりこないんですよ。「泣ける」違います。「よかった」浅い。「面白かった」エンタメではない。「クスリとした」したけど全体を表してない。「ためになった」なるけど記録映画じゃない。「考えさせられた」考えるというより感じる。
最後の「感じる」が近いと思うんですが、見終わった後は不思議な感情そのもの、感情の生データしかないわけです。だからみんなこぞって「見てください」と言うんです。映画好きはみな、それなりの格好いい言葉でオススメしようと思ってたのに、何も言えなくてもどかしさに泡吹きながら「みて・・・」とだけ呟きます。
◆緻密さ
映画で描かれる広島市や呉の町並みは、入念に実在の建物と人々を調査して描かれたものという事です。そして呉に配置された戦艦や空襲の日の天気まで、徹底的に反映させる。これが圧倒的リアリティを生む。絵はアニメテイストなのに、実写映画をはるかに上回る実在感がある。
空襲の戦闘機の音、砲弾の破片が瓦や生活用品を鋭く破壊する描写、防空壕で聞く爆撃音、これらの恐怖感はちょっと他の創作物で体験したことがない。
映画館の音響に左右される部分もあるせよ、防空壕のシーンは本当に映画館のすぐそばに着弾したような振動が全身に響くし、砲弾の破片の鋭さは鋭利な刃物を目の前にしたかのように明らかな殺傷能力を感じて身がすくむ。
また、スズメや野鳥のさえずりが聞こえる長閑な日を突然空襲が襲ったりして、映画としては不穏な空気を全く演出していないのに、当たり前の日常に突如戦争が割り込んでくるその現実が一番怖いということがわかる。
これに関しては映画館で体験することにかなり意味がある部分だと思う。
◆エロい
すずさんは全然そういうタイプじゃないんですよ。
天然ボケで子供が抜けきってない感じで、キャラクターとしても素朴。
なのに水原のあのシーンはなんだ。
めちゃくちゃ触れたくなる横顔。水原…よく我慢したな、膝枕はして貰ってたけど…
そして夫の周作との微笑ましいシーンも。奥さん色っぽい。なにこれ。
◆主演:のんについて
陰謀論はいただけないですね。すぐ物事を何かの怒りに持っていってしまう人が稀にいますが、哀しいです。いったいこの映画のなにを見ていましたかと。
個人的には、しばらく前に映画雑誌のCUTでインタビュー(海月姫だったかな)受けてた時、作品とキャラクターの背景についての考察がびっくりするぐらい鋭かったので、たいしたもんだなあと思った記憶があります。今回もパンフレットで監督がその点を指摘してるし、本人のインタビューでもキレキレです。
しかし圧倒的にコミュ障だとおもうので、芸能界というか社会的に暮らしづらいだろうし、ときたま人を怒らせるだろうなという想像ができるので、なんというか気の毒だけど。
と、そんな性格も相まって、少し抜けてるとことかすずさん役にぴったり。技術的に上手というよりは、憑依とか同化って感じ。もうすずさんはこの声じゃないとダメ。
「生きるっていうことだけで涙がぼろぼろあふれてくる」
彼女が試写会で発した言葉だそうですが、ただ一人この作品を一言で表すことができたというのが凄い。
以上、なんだかやっぱり上手くまとめられなかったけど、とにかくこの感情をアウトプットしたかったので3日間悶々とぐるぐるぐるぐる考えたことを吐き出しました。結果的にネット上の意見をなぞってるだけっぽいけど。
とにかく伝えたいのはただ一つ、この映画を、観てください!おねがい
iPhone7 特記事項なし
iPhone7買いました。
今までに4、5、6を買ってるので律儀にきっちり2年おき。最近はバックアップのおかげで復元しちゃえばあまり変化がないから興奮もないです。
スペック的にも谷間の機種になりそうですね。来年は7Sではなく8になるという観測もあるし、VRとかもう一歩進んだアップデートになるかもって話ですね。有機ELはなんだか技術的に足踏みしてる感があってどうなるのか微妙だけど。
なので7のトピックとしてはホームボタンの変更とイヤホンジャック廃止くらいかな。
ホームボタンは物理ボタンとは全く違うけど、これはこれで面白いなって感じ。Tapticエンジンというのが入ってて、これがクリックっぽい振動を起こすギミック。
どちらかというとiPhone本体の背面の方がが揺れる。片手で持ってるときはクリック感強いけど、机に置いてボタン押したりするとよくわからない事もある。いまのところ実用面で困ったということはないかな。この物理ボタンと微妙に違う違和感が楽しくて無駄にクリックしている。
イヤホンジャック廃止に対してはこれを買いました。
ELECOM エレコム iPhone6s/6s Plus/Android/タブレット 対応 Bluetooth オーディオレシーバ ーNFC・AAC対応 ブラック LBT-PAR150BK
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3千円前後というのは安いですよね。Amazonは黒が欠品してたのでビックカメラの通販で購入。より安い。
しかもこれ発売結構古いのね。安定して売れてる商品ということでしょうか。いままで使ってたイヤホンが使えるし、断線してもイヤホンだけ買い換えればオーケー。
もともとiPhoneで音楽聴く勢だから音質はこだわってないけど、ライトニング端子でイヤホン接続するよりBluetooth4.0でAAC形式に対応してるこれの方が音質は良いらしいですよ。
そもそものイヤホンジャック廃止についてはなんや不便やなあという思いはある。適当に引っ掴んだイヤホンがそのまま使えるのが一番楽だし。ただAppleとしてはBluetoothを使ったら違う世界があるよっていう提案をしたかったんだろうね。
インタフェースが変わるのって本来ユーザーに負担をかけることだけど、僕の場合はわりとその新体験をコンテンツとして楽しんでる部分があるので今回も乗ってみました。
別にとれたてピチピチの新しい技術ではないけど、いざ使ってみるとワイヤレスってなんかフワフワした新鮮味があって楽しいです。ちょっとしたら慣れてなんでもなくなるだろうけど。
あ、もう一個あったな。
以前の記事でDラインをボロクソに批判しましたが、めでたく改善されました。
ブラックは背面が完全に黒になったのでもうほとんどわかりません。ただ、完全に見えなくして欲しいと思ってたわけじゃないんですよね。ゴールドとかローズゴールドの白いライン処理もグッドだと思います。要はデザインになっているかどうか。“D”ではなくクランクした一本線にしたことで近未来的な雰囲気にもなってると思う。
Suicaはな、今PASMOで定期持ってるし、新幹線のEX-ICカードも携帯してるからメリットがなくて。あとなんか・・・あ、今回SIMフリーなんですよ。これからMVMOデビューします。どこにしようかな~。
奈良の旅 其の二
後編はちょっと地味かもしれないですね。なのに増え続ける文字。
***橿原***
橿原考古学研究所附属博物館
非常に良い。石器時代から古代が中心というまさに求めていた博物館。
ここはね…とにかく史料が豊富で全く時間が足りませんでした。1日いられるね。次回奈良に来るとしたら飛鳥と纏向があるから、それと合わせてまた来たい。最初の石鏃、石斧からめちゃくちゃ詳しいし、復元模型も研究所ならではの学びの深いもので来る価値がある。
そんな中からひとつ、ちょっと古代の印象を変える模型展示があったので写真でご紹介。
神憑り的巫女による祭祀風景ですが、この装束はちょっと無味乾燥な古代イメージとは一線を画していてよくないですか??このアングルだとわかりづらいですが、巫女は鳥の頭の被り物をしていて、両腕は鳥の翼を模していて先っちょには鳥の羽をあしらっています。
翼にあたる部分の装束の柄がいいですよね。跪く男女の腰帯と同様に、三角形のギザギザというのは鱗文様でしょうか。魔除けの意味合いがあるとも言われている文様です。なんというか、この大胆な文様があることで当時の情景が一気に鮮やかな印象に変わりました。
この旅行を通じて思うに、古代って結構明るくて軽やかさのある色が多かったかもなって思うんですよね。神社の朱と緑なんてその筆頭で、紅より朱の方がフワッとした印象ありますよね。古都奈良の枕詞はあおによし。まさにその青(=緑青)と丹(=朱)なわけです。古事記や日本書紀の物語って意外とパステルカラーが似合いそう。
話は戻りますが、これらの模型展示、現代的なフィギュア造形も相まって非常に躍動感のあるリアルな模型だと思います。より現実のものとしての想像ができるというか。
最近知ったところによると、古代は一般人含め刺青文化もあったということなので、ぜひ刺青のある古代人フィギュアどこかで見たいですね。
神武天皇陵
畝傍御陵前駅からの道を進むと、畝傍山が見えてきます。雨上がりの天気もあって何か神聖な雰囲気があるような。そもそも山々の雄大さこそが信仰を生んだのだとも言えるけどね。
といいつつ、この神武天皇陵は本当に神武天皇のものかどうかはわかりません。畝傍山の東北山麓という記述を頼りに、江戸時代初期に比定されました。
この話は何段階か説明が必要で、ざっくり言うと
①神武天皇じたい実在したのか不明
②中世まで神武天皇陵が認識されていたが、それが正しかったのか不明
③江戸初期に比定した現在の場所はむしろ怪しい
という状態。さらに①については「実在はしたが伝承としての創作を含み、時代や事績どこまでが事実か不明」というように細かく見方も分かれるので、何をもって神武天皇陵とするのかという定義すら曖昧になってくる。
③は幕府の権威高揚という側面があったので、それらしい場所であれば良かったという見方がある。実際、江戸幕府が修繕するまでただの田んぼの中の小さい塚でしかなかったとか。
そして、周囲の鬱蒼とした森も幕末以降になって植樹したものということなので、畝傍山はともかくこの陵墓自体はあとから整えた場所です。
境内も建物も広々と大きく造られてます。創建は1890年と近代。
神武天皇の宮があったとされる場所。つまり初代皇居ですね。
1940年に紀元2600年祭が行われたりと、まあ色々と政治的な意味合いもあることでしょう。
ただそれだけ天皇家にとって大切な意味合いを持つ場所なので、公式サイトから年中行事までプロモーションの濃度は抜群な気がします。とはいえ多くの神社も創建当初は国家レベルあるいは地域レベルかもしれないけど、政治(まつりごと)に深く関わるものであったはず。これだけ立派なものが立つのは人々の想いの表れでもありますよね。
ちなみに、ここにある「崇敬会館」は名前からしてオッという感じしますが、その見た目も、すごい斬新でかっこいいんだけど、えー、、こういうのいいのかな、新たに興した感のある色んな意味で味わい深い建物なので、個人的には必見ですね。
なにはともあれ立派な拝殿と背後の畝傍山、そして西側には蓮の広がる深田池と緑あふれる良いところです。
***斑鳩***
広い!子供の頃来たはずだけど、ぜんぜん覚えてないなあ。
この日はですねえ・・・朝到着してカメラを取り出したら、壊れちゃってたんですよ。かなりさげぽよですよね・・・
(後日、オリンパス修理センターに持ち込み直りました。有料で。)
今回の目玉なんですよ。全編の冒頭で紹介した遥かなる大和シリーズを読んで聖徳太子、小野妹子、蘇我馬子らの活躍と策謀の舞台である斑鳩にがぜん興味が沸きまして。
この土塀の連なりや回廊を歩いていると感慨深いものがありますね。彼らはどのような思いでこの場所を歩いたのかと。
ところで、聖徳太子非実在説というのはわりと有名でふわっとした形で一般にも広まってしまった部分があると思います。ですが、実際のところ、厩戸皇子は実在して法隆寺と斑鳩宮を建てたことはほぼ定説となっています。
問題になっているのは、仏教的聖人としての聖徳太子であり、それは太子信仰が後世に興ったことで脚色や誇張が多分に含まれるのではないかというところです。これを前提とすると、聖徳太子について書かれた記録すべてが疑わしいのではないか、となりそもそもすべては創作ではなかったか、というとこまで振り切った説が話題になりました。証拠がなければ証明できないというのはまあその通りなんですが、そこから非実在まで行ってしまうとそれはそれで証明も難しく言いすぎじゃないかなとは思いますね。
西院伽藍の金堂と五重塔です。
金堂は中に入れるのですが、ここの四天王立像が興味深かったですね。四天王それぞれが邪鬼を踏みつけてはいるんですが、なんというか行儀正しい。一般的なもがき苦しむ邪鬼ではなく、原辰徳もびっくりのグータッチポーズ。持国天像の踏んでる牛顔の邪鬼はなぜか乳首が妙に強調される四つん這いポーズで腹立たしさがひと際輝いていましたね。
境内どこを見ても国宝重文だらけなんですが、大宝蔵院がまたすごい。充実の寺宝展示、有名なところでは玉虫厨子と百済観音かな。
このあと、東院伽藍の夢殿も見て、お隣の中宮寺も立ち寄りました。
この日はレンタサイクル借りたんです。法隆寺だけならいいんだけど、周囲の寺社をまわるとなると足ではきつい。真夏ならなおさら。それでもタオル首にかけて汗を拭きつつだったけどね。
そしたら斑鳩神社の裏手の道から白線と自転車マークのレーンがあって、辿っていくと自然に法輪寺に着く。山あいを抜けてくサイクリングロード、短いけど気持ちよかったな。ちゃんと近道でアップダウンなく造られてて関心。
中宮寺の真北方向かな、途中斑鳩神社に寄って、丘沿いを進んでものの数分。聖徳太子の子の山背大兄王が建てたとされる寺。三重塔は1975年の再建だけど、法隆寺の2/3スケールで作られてるっていうのがよくわかる伽藍配置。
法輪寺出てすぐのところ、イチヂク農園と直売所があって、一帯がイチヂクの香りがしてすごかったな。ちょっとお香というか、とろんとした甘い香りでなんとなく陶酔的な香りですね。
ここの三重塔は国宝で、706年頃の建立とみられる。なんとなく、腰がしっかり入っているというか安定感のある塔。小さいけど庭もなかなかポテンシャル秘めてる感はあるのだけど、一部の建物が完璧に歪んで壊れてたり、塀の一部が崩れて雑草だらけだったりと管理の限界的なものがありありと見て取れるところが心配になる。お金ないのかなあ・・・
法起寺からさらに北東へ1.5km、禅寺で茶道推しのお寺。
ここだけ江戸時代の史跡。拝観1000円で必ず付く抹茶と菓子を頂きながら眺める庭もさることながら、一番の目当てにしてきたのが「石州麺」でございます。
写真がイマイチになっちゃったけど・・・
麺はひやむぎ、というか稲庭うどんのより細いやつって感じ。冷たい麺で、汁はあっさりしためんつゆ系にすりごまを効かせた一杯。いや~~~これうまい!
この日一番目の食事のお客さんになったみたいで、お寺の方々を慌てさせてしまいました。座敷の奥から聞こえるキッチンの音。一方で住職のおじいさんはのほほんとして、「そこの扇風機使ったらいいよ、あっついだろう、座っとけ座っとけ」とめちゃくちゃフレンドリー&フランクでした。自分でコンセントさして年代物の扇風機のスイッチガコっとつけて、座布団で麦茶を飲む時間、プライスレスですね。
暑かったけど、時々涼を感じたりもして良い夏休みでした。またもや長くなったな。仮に最後まで読んだ方いらっしゃったら、お疲れ様でした。
奈良の旅 其の一
ならです。古代、平らな土地をナラ・ナルと言ったらしい。土地をならす、などに音が残っているとのこと。奈良公園なんかは緩やかな丘という感じで、確かに平ら。
何もこんな猛暑の中…という感じだけど、最近古事記を読んだり、「遥かなる大和」シリーズを読んで飛鳥時代に興味津々となったので現地調査に赴いた次第です。
といいながら飛鳥地域は今回いかなかったんですけどね。文化財多すぎ。
むか~し子供の頃に行った以来の奈良。その頃は何もわかってなかったのでほとんど初見のつもりです!
***奈良公園***
近鉄奈良駅の近く、春日大社に向かう手前にある。藤原氏の氏寺で、藤原鎌足(中臣鎌足)と子の不比等にゆかりのあるお寺。
国宝館という資料館がとても充実している。名前の通り国宝だらけ。
阿修羅像はひと際美しいですね。顔立ちはもちろん、まとった裳がオシャレでカッコイイ!フィギュア的に美しい。
乾漆八部衆立像のうち、2体は動物の被り物してるんですよね~ゾウと獅子。とどまるところを知らないフィギュア感。
十二神将像は平安時代の板彫りなんですが、見事なまでのジョジョ立ちです。仏像って基本的にジョジョ立ちしがちだと思うんですが(逆か)、これは特にジョジョ立ちですね。
と紹介しても、写真撮影不可でお見せできない・・・Google画像検索のリンク埋め込んでおいたから、みてね。
現在は中金堂の復元中ということもあってサッパリした境内ですが、古代~中世にかけては藤原氏の繁栄に伴ってかなりの権勢をふるっていたようです。
ニッチなショットを。
こちらは藤原氏の氏神の武甕槌命(タケミカヅチ)と、経津主命、天児屋根命、比売神の4柱を祀ってます。
中元万燈籠というライトアップイベント的なのをやってたらしく、昼間も中を暗くした部屋に無数の釣燈籠が浮かぶという企画があり幻想的でした。
なんというか、建物とかはそれほど巨大!ってわけじゃないんだけど、敷地がめちゃんこ広いですわ。霊山として崇められてきた三笠山と神社が一体になっている感じ。北に向かい沢を渡ると若草山で、これまた地形の美がある。
頭塔
謎のミステリースポット。いわゆる珍スポットでありオカルト的エネルギーをビンビンに発する外観に思わず自分の中のムー大陸が悠久の時を超え目覚めかけますが、実際はこのような見た目ではなかったようです。
というのも、ところどころに配置された屋根は埋め込まれた石仏を守るためで、当時の復元というわけではないとのこと。実際はぐるりと各段に屋根を巡らして、さながらピラミッド型の五重塔のような見た目だったそうで、まだ現状よりまともかなという気がしますね。なーんだ。
ミャンマー方面でいう「パゴダ」に相当する仏塔ではないかと言われていて、実際Googleマップでは英語でPagodaって書いてあります。(画像検索して)う~ん言われてみれば・・・
隣の敷地のホテル受付で300円を払うと見せてもらえる仕組み。
がんごうじと読みます。力強い。こちらは蘇我馬子が建立した法興寺がもとになったお寺です。飛鳥から奈良町に引っ越してきた。
資料館の法輪館には国宝の五重小塔があって、天平時代に造られた1/10スケールの精巧な五重塔があります。屋内で保存されてきたから劣化が少なくて、天平時代の五重塔はこれしか残っていないそう。多少色あせているものの、彩色とか当時の様式がよくわかって良いですね。
奈良町は瓦屋根が立ち並ぶ風情のある街並みで、リノベしてレストランとか雑貨屋とかいくつかありましたね。
***三輪***
そうめん森正
JR奈良駅と近鉄奈良駅が徒歩15分くらい離れていて不便ですね。
元興寺から頑張ってJR奈良駅まで歩きました。桜井線で三輪駅へ。
もうだいぶいい時間になっていたので、大神神社前の有名なそうめん屋さんへ。涼やかできれいな盛り付けですよね~、立ってるだけで汗ポタポタ垂れてくるような猛暑だったので、かなり生き返りました。うまい。
ここで夕飯用に柿の葉寿司も買いました。
これまたうまい。鯖ですね。春日大社のお酒と合わせてみた。
この炎天下で常温で2日もちます!と自信もって言えるのすごいなあ。お酢と柿の葉の効果が絶大なんでしょうか。それとも防腐剤たっぷり入ってるんでしょうか。
これでおおみわ神社と読みます。三輪山そのものがご神体で本殿がありません。日本最古の神社で、伝承には事欠かない神社。祭神の大物主大神は蛇神とされていて、神武東征以前の大昔から土着豪族が祀ってきた場所。
大物主大神はお酒の神でもあって、神の化身である白い蛇が宿る大杉が境内にあるのだけれど、この杉に由来して酒屋や醸造所が杉玉を吊るすようになったとか。
蛇神だから、卵がお供えされているのが面白い。酒造りの神に対して伏見の月桂冠キャップエースで揃えてくる意味合いがよくわからないけど…
ちなみに森正でお土産にもそうめん買ったけど、名前が「おだまき」。これも大神神社に由来があって、ある夜訪ねてきた若者と恋に落ちた活玉依姫の両親が不審に思って、その若者の衣の裾にこっそり糸を通して素性を調べたところ、その糸が三輪山に向かっていて大物主大神だとわかった、という話。このときおだまき(=糸巻き)に残ったのがたったの三勾(みわ。三巻。)だったのでこの地を三輪と呼んだとか。つまり、その糸と糸巻きをそうめんになぞらえているわけですね。
春日大社同様に境内が広い。平成9年に竣工した祈祷殿も立派ですね、結婚式とかに使うらしいけど、木造銅板葺きで風格がある。
摂社や末社がたくさんあって、本当は時間かけて見て回りたいところだったんだけど、わりと過密スケジュールで組んでしまったのでこの辺りで大神神社を後にしました。段違いの歴史を持っているだけあって、古代様式の磐座(岩をご神体として祀る)とか、記紀に登場する神々や豪族の神社とか興味は尽きないんですけどね。
後編に続きます。
ブーツのカビ対策
毎年ブーツでカビを育てています。
否、ホワホワデコレーションブーツは本意にあらず。今まで様々なカビ対策を実施してきたのですが、6月~9月の高温多湿期間は無残にも連戦連敗、辛酸を舐める日々が続いておりました。
が!
今年は生えてきてないんですね~~ムフフ~~~
その秘密はこちら!(通販みたいだ)
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流れとしては、シーズンオフに「レザーキュア」でブーツを掃除、クリーム等で通常の皮革製品のケアをしたら仕上げに再びレザーキュアを吹きかけて手入れは完了。
そして、げた箱の天板に「バイオげた箱のカビきれい」を設置しブーツを収納すれば対カビ要塞の完成です。
レザーキュアは生えてしまったカビを拭き取るのにも使えます。
6年くらいでこの傷だらけはいけませんよね。
もともとかなり安物で、左右の色も微妙に違うし現品限りの品だったのです。最初の二年でひどいことになって、もうだめかこいつと思ったんですが、丁度社会人になった頃、仕事用の革靴の手入れにシューケア用品を触り初めまして、ついでだからブーツも手入れするかということでやってみました。
そしたらすごいですね、カサッカサだったつま先がピカピカ光るし、かかとの内側はこすれてファサファサになってたところが何とか堅牢性を取り戻しちゃって。
雨のシミとか写真にもある大きな傷とかはどうしようもないんだけど、それも味っちゃ味みたいな感じで履き続けております。
カビはほとんど縫い目の付近にできます。これが厄介で、革表面は拭けばとれるんだけど、縫い目に潜むカビ菌の根絶は至難の業。
一度死にかけたブーツなので、これまではソールとウェルト部分のアルコール漬けやら塩化ベンザルコニウム水溶液漬けや革には良くない日光消毒など過激な措置を実施したんですが、やはり次の年には発生してしまうんですね。
やはり根本的にカビが生育できない環境に持ち込むしかないということで辿り着いたのがこのスプレー+バイオ方式です。レザーキュアはカビの膜構造を破壊する成分が入っていて、さらにマイクロカプセル化された抗菌剤が革にしみこむというところがポイント。カビきれいは詳しいところはわからないけど、製品の微生物が揮発性物質を放出することでカビが生育しづらい環境を作ることが目的のようです。
さてしかし、結局どっちが効いたかわかんないんですけどね。
A5のノートパッド
本当はコンパクトな記事も書きたい。
文具の紹介です。小さいメモパッドだと普段ロディアのメモとか使ってるけど、方眼すきなんですよ。
ホワイトはロゴもグレーでかっこいいけど長く使ってると汚れが目立つ。手垢というか茶色っぽく汚れるから清潔感がアレっすね~。それでもホワイト使ってるんだけど。
マルマン レポートパッド 5ミリ方眼罫 A5 P164A 10冊セット
で今回のおすすめはこっちのマルマンREPORT PAD A5
もう表紙に「A5サイズが使いやすい!」って書いてあるけど、まさにその通りで狭すぎずでかすぎず。自分の頭の中を整理するのにちょうどいいサイズ。僕はA5サイズでものを考えているのか。
で、サイズ感としては紙の寸法はもちろん重要なんですが、これのいいところは枚数。40枚って比較的少なくて、持ち運びやすい。重くもない。
A5サイズ以上だとデスクで使う想定のものが多くて、100枚くらいのものが多い。そういうのはどっしりしてるんだよね、表紙に高級感があったりはするけど。
中身はこんな感じ。
方眼もうすく入ってる感じでスマート。書き味はマルマンさすが、スムース。スマートでスムース。どちらかというと、ほんのわずかに厚めの紙かな。60g/平米と書いてあるけど、すんませんその辺の知識ないです。ツルっとしててほとんど滲まないタイプの紙です。
写真は新しいやつなんだけど、この前のやつは表紙ちぎれちゃったんですよね。でもそれはそれで使いやすかったから、もう最初から表紙破っちゃってもいいかもしれないね。
使用サンプルを探したけど、だいたい個人情報か仕事だから公開できそうなのはこれくらいで…これはブーツのカビ根絶のために徹底的に戦うという気持ちの表れです。
というわけで次回はブーツのカビ対策についておすすめ製品を紹介しましょう。
食巧不食飽
2度目の台湾旅行でした。
とにかく飯がうまいので台湾大好き。東京から行きは4時間、帰りは3時間。英語も台湾語もほとんど喋れないけど全然大丈夫だし、タクシー超安いし最高な台湾です。
前回の記事(排骨飯 - そこぬけ、九份 - そこぬけ)でも食事かお茶の話でしたが、やはり食事ですね。
梅子は有名店中の有名店。わりと庶民的なのかな、しじみの醤油漬けとかゆでたエビとか名物らしいけどちょい独特さもあるね。
で、写真は担仔麺(台:ターアーミー/日:タンツーメン)というやつで、これめっちゃうまいっすね。台湾飯でもわりと定番で、帰り際にも桃園空港の地下のフードコートで食べたくらい気に入った。
エビ出汁スープに中細麺、濃くて強い味付けの肉みそがのったこってり麺。日本以外のアジア圏は麺にコシがないのでどうしても物足りなさを感じることがあるけど、これはコシではないけど小麦のグルテンが仕事してるので食べごたえがある。
小さな器で供される料理なんですが、ついどんぶりでくれと思ってしまううまさ。しかし台湾には食巧不食飽(飽きずに美味しく)という哲学があるそうなので、こちとら日本人、粋な食事なら受けて立つってなもんですよ。
うまああああい
前回の旅行では目の前で売り切れて涙をのんだ念願の胡椒餅(フージャオビン)。炭火の香りが店の外まで漂ってほんとうに食欲をそそる。胡椒餅は小麦粉生地で肉あんと葱を包んで窯の内側に張り付けて焼き上げた料理。この肉の具合がたまらん。この店はかなりの粗びきかつホロホロとほどける肉質で実にジューシー。もも肉とバラ肉があって、どちらもうまいけど僕はバラ肉のコクが好きかな~。炭火の香りも強くて香ばしい!
胡椒餅②(福州元祖胡椒餅:台北市和平西路三段109巷2弄5号)
同日に胡椒餅2軒目いきましたね。食巧不食飽の精神を早々にかなぐり捨てます。
さっきのは淡水でちょっと遠いけど、こちらは台北。
龍山寺の近くで観光がてらに丁度いいのだけど、店のある路地裏の雰囲気がなかなかにディープ。注文すると番号札をくれて、「アトナナフン!」などと教えてくれます。
最初は人通りの少ない薄暗い裏通りという印象だったのに、焼き上がりが近づくにつれ増える人々。見た感じでは地元の方が多いようで、高まるモノホン感。
見てください、焼く前のプリプリプクプク感たるや。
淡水の店より、ミンチは細かくて味にまとまりがあります。そして皮が厚めでパンのようなふっくらとした触感とやわらかい甘みがほっこり美味しい胡椒餅。
なかなかうまいですが、やはり僕は淡水の胡椒餅がオススメかな~。イヤ、ここがNo.1だという声もあるようですが、淡水はなんといっても肉がうまかったからな。アイスバイン並みのうまみ凝縮ホロホロ肉にやられましたよ僕は。
銀絲捲(彭園:台北市林森北路380號)
夕食に湖南料理の店に行きました。中国八大料理のひとつ。
一般的には、湖南料理は四川料理よりも辛いものだと聞いていたんだけど、この店では辛い料理1品も食わなかったな。メニューもみたけど・・・誤解もあるのかな?
写真は銀絲捲(インシージェン)というまあ、揚げパンみたいなもの。ヒモみたいな生地をぐるぐる巻いて揚げる料理。この店はこういう巻貝みたいな形だけど、よく見るのはコッペパンみたいな形のほうかなあ。
で、違うのは見た目だけではなく、味もその辺のより一段上。生地がきめ細かくて繊細な甘さ。ふわふわ感もあって非常に上品。油臭くないというか、きれいな油使ってそうな感じ。
この店は全然スイーツの店とかじゃなくて普通にレストランですよ。炒め物とか、エビをレタスで包んで食べるやつとかね、何食べてもうまい。メロンスープという衝撃のメロンくりぬき挽肉スープを味わったりもしました。
朝食はブラブラ散歩しながら探した。台北は家にキッチンがなかったりすることもあるようで、朝食は外で食べる人が多いんだとか。いたるところに朝食屋があって、Googleマップとかでもホテルの周りにおびただしい数の☆4があってすごい。
ここはですね、24時間営業という頼もしい店。隣の店も台湾粥とかその他取り揃えてる24時間営業店(洪記豆漿大王)なので超便利っすね。
写真はワンタン麺(台:フントゥンミェン)。うまいね~。麺は、どん兵衛の生めんVerという感じかな。どんぶりいっぱいだったらアレかもしれないけど、朝ごはんでこの丁度いい量最高。ほかに、肉絲米粉という担仔麺の肉みそがのったビーフンも食べた。これもうまい。
台北の朝、道端に据えられたステンレスのテーブルと丸椅子で少し汗をかきながら食う朝食はマストですよね。
ということで、イチオシ台湾飯をご紹介致しました。あ~うまかったな胡椒餅・・・