ならです。古代、平らな土地をナラ・ナルと言ったらしい。土地をならす、などに音が残っているとのこと。奈良公園なんかは緩やかな丘という感じで、確かに平ら。
何もこんな猛暑の中…という感じだけど、最近古事記を読んだり、「遥かなる大和」シリーズを読んで飛鳥時代に興味津々となったので現地調査に赴いた次第です。
といいながら飛鳥地域は今回いかなかったんですけどね。文化財多すぎ。
むか~し子供の頃に行った以来の奈良。その頃は何もわかってなかったのでほとんど初見のつもりです!
***奈良公園***
近鉄奈良駅の近く、春日大社に向かう手前にある。藤原氏の氏寺で、藤原鎌足(中臣鎌足)と子の不比等にゆかりのあるお寺。
国宝館という資料館がとても充実している。名前の通り国宝だらけ。
阿修羅像はひと際美しいですね。顔立ちはもちろん、まとった裳がオシャレでカッコイイ!フィギュア的に美しい。
乾漆八部衆立像のうち、2体は動物の被り物してるんですよね~ゾウと獅子。とどまるところを知らないフィギュア感。
十二神将像は平安時代の板彫りなんですが、見事なまでのジョジョ立ちです。仏像って基本的にジョジョ立ちしがちだと思うんですが(逆か)、これは特にジョジョ立ちですね。
と紹介しても、写真撮影不可でお見せできない・・・Google画像検索のリンク埋め込んでおいたから、みてね。
現在は中金堂の復元中ということもあってサッパリした境内ですが、古代~中世にかけては藤原氏の繁栄に伴ってかなりの権勢をふるっていたようです。
ニッチなショットを。
こちらは藤原氏の氏神の武甕槌命(タケミカヅチ)と、経津主命、天児屋根命、比売神の4柱を祀ってます。
中元万燈籠というライトアップイベント的なのをやってたらしく、昼間も中を暗くした部屋に無数の釣燈籠が浮かぶという企画があり幻想的でした。
なんというか、建物とかはそれほど巨大!ってわけじゃないんだけど、敷地がめちゃんこ広いですわ。霊山として崇められてきた三笠山と神社が一体になっている感じ。北に向かい沢を渡ると若草山で、これまた地形の美がある。
頭塔
謎のミステリースポット。いわゆる珍スポットでありオカルト的エネルギーをビンビンに発する外観に思わず自分の中のムー大陸が悠久の時を超え目覚めかけますが、実際はこのような見た目ではなかったようです。
というのも、ところどころに配置された屋根は埋め込まれた石仏を守るためで、当時の復元というわけではないとのこと。実際はぐるりと各段に屋根を巡らして、さながらピラミッド型の五重塔のような見た目だったそうで、まだ現状よりまともかなという気がしますね。なーんだ。
ミャンマー方面でいう「パゴダ」に相当する仏塔ではないかと言われていて、実際Googleマップでは英語でPagodaって書いてあります。(画像検索して)う~ん言われてみれば・・・
隣の敷地のホテル受付で300円を払うと見せてもらえる仕組み。
がんごうじと読みます。力強い。こちらは蘇我馬子が建立した法興寺がもとになったお寺です。飛鳥から奈良町に引っ越してきた。
資料館の法輪館には国宝の五重小塔があって、天平時代に造られた1/10スケールの精巧な五重塔があります。屋内で保存されてきたから劣化が少なくて、天平時代の五重塔はこれしか残っていないそう。多少色あせているものの、彩色とか当時の様式がよくわかって良いですね。
奈良町は瓦屋根が立ち並ぶ風情のある街並みで、リノベしてレストランとか雑貨屋とかいくつかありましたね。
***三輪***
そうめん森正
JR奈良駅と近鉄奈良駅が徒歩15分くらい離れていて不便ですね。
元興寺から頑張ってJR奈良駅まで歩きました。桜井線で三輪駅へ。
もうだいぶいい時間になっていたので、大神神社前の有名なそうめん屋さんへ。涼やかできれいな盛り付けですよね~、立ってるだけで汗ポタポタ垂れてくるような猛暑だったので、かなり生き返りました。うまい。
ここで夕飯用に柿の葉寿司も買いました。
これまたうまい。鯖ですね。春日大社のお酒と合わせてみた。
この炎天下で常温で2日もちます!と自信もって言えるのすごいなあ。お酢と柿の葉の効果が絶大なんでしょうか。それとも防腐剤たっぷり入ってるんでしょうか。
これでおおみわ神社と読みます。三輪山そのものがご神体で本殿がありません。日本最古の神社で、伝承には事欠かない神社。祭神の大物主大神は蛇神とされていて、神武東征以前の大昔から土着豪族が祀ってきた場所。
大物主大神はお酒の神でもあって、神の化身である白い蛇が宿る大杉が境内にあるのだけれど、この杉に由来して酒屋や醸造所が杉玉を吊るすようになったとか。
蛇神だから、卵がお供えされているのが面白い。酒造りの神に対して伏見の月桂冠キャップエースで揃えてくる意味合いがよくわからないけど…
ちなみに森正でお土産にもそうめん買ったけど、名前が「おだまき」。これも大神神社に由来があって、ある夜訪ねてきた若者と恋に落ちた活玉依姫の両親が不審に思って、その若者の衣の裾にこっそり糸を通して素性を調べたところ、その糸が三輪山に向かっていて大物主大神だとわかった、という話。このときおだまき(=糸巻き)に残ったのがたったの三勾(みわ。三巻。)だったのでこの地を三輪と呼んだとか。つまり、その糸と糸巻きをそうめんになぞらえているわけですね。
春日大社同様に境内が広い。平成9年に竣工した祈祷殿も立派ですね、結婚式とかに使うらしいけど、木造銅板葺きで風格がある。
摂社や末社がたくさんあって、本当は時間かけて見て回りたいところだったんだけど、わりと過密スケジュールで組んでしまったのでこの辺りで大神神社を後にしました。段違いの歴史を持っているだけあって、古代様式の磐座(岩をご神体として祀る)とか、記紀に登場する神々や豪族の神社とか興味は尽きないんですけどね。
後編に続きます。