奈良の旅 其の一

ならです。古代、平らな土地をナラ・ナルと言ったらしい。土地をならす、などに音が残っているとのこと。奈良公園なんかは緩やかな丘という感じで、確かに平ら。

何もこんな猛暑の中…という感じだけど、最近古事記を読んだり、「遥かなる大和」シリーズを読んで飛鳥時代に興味津々となったので現地調査に赴いた次第です。

蘇我アアアアアア!!!となることうけあい。教科書でみた平面的な古代史が、血の通った物語として躍動する楽しさ。
でもこの時代の記録はほとんど蘇我氏没落後に編纂されたものだという事も心に留めておきたい。

といいながら飛鳥地域は今回いかなかったんですけどね。文化財多すぎ。

むか~し子供の頃に行った以来の奈良。その頃は何もわかってなかったのでほとんど初見のつもりです! 

 

***奈良公園***

興福寺

近鉄奈良駅の近く、春日大社に向かう手前にある。藤原氏の氏寺で、藤原鎌足中臣鎌足)と子の不比等にゆかりのあるお寺。

国宝館という資料館がとても充実している。名前の通り国宝だらけ。

阿修羅像はひと際美しいですね。顔立ちはもちろん、まとった裳がオシャレでカッコイイ!フィギュア的に美しい。

乾漆八部衆立像のうち、2体は動物の被り物してるんですよね~ゾウと獅子。とどまるところを知らないフィギュア感。

十二神将像平安時代の板彫りなんですが、見事なまでのジョジョ立ちです。仏像って基本的にジョジョ立ちしがちだと思うんですが(逆か)、これは特にジョジョ立ちですね。

と紹介しても、写真撮影不可でお見せできない・・・Google画像検索のリンク埋め込んでおいたから、みてね。

現在は中金堂の復元中ということもあってサッパリした境内ですが、古代~中世にかけては藤原氏の繁栄に伴ってかなりの権勢をふるっていたようです。

 

春日大社

ニッチなショットを。

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こちらは藤原氏氏神武甕槌命タケミカヅチ)と、経津主命天児屋根命比売神の4柱を祀ってます。

中元万燈籠というライトアップイベント的なのをやってたらしく、昼間も中を暗くした部屋に無数の釣燈籠が浮かぶという企画があり幻想的でした。

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 なんというか、建物とかはそれほど巨大!ってわけじゃないんだけど、敷地がめちゃんこ広いですわ。霊山として崇められてきた三笠山と神社が一体になっている感じ。北に向かい沢を渡ると若草山で、これまた地形の美がある。

 

頭塔

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謎のミステリースポット。いわゆる珍スポットでありオカルト的エネルギーをビンビンに発する外観に思わず自分の中のムー大陸が悠久の時を超え目覚めかけますが、実際はこのような見た目ではなかったようです。

というのも、ところどころに配置された屋根は埋め込まれた石仏を守るためで、当時の復元というわけではないとのこと。実際はぐるりと各段に屋根を巡らして、さながらピラミッド型の五重塔のような見た目だったそうで、まだ現状よりまともかなという気がしますね。なーんだ。

ミャンマー方面でいう「パゴダ」に相当する仏塔ではないかと言われていて、実際Googleマップでは英語でPagodaって書いてあります。(画像検索して)う~ん言われてみれば・・・

隣の敷地のホテル受付で300円を払うと見せてもらえる仕組み。

 

元興寺

がんごうじと読みます。力強い。こちらは蘇我馬子が建立した法興寺がもとになったお寺です。飛鳥から奈良町に引っ越してきた。

資料館の法輪館には国宝の五重小塔があって、天平時代に造られた1/10スケールの精巧な五重塔があります。屋内で保存されてきたから劣化が少なくて、天平時代の五重塔はこれしか残っていないそう。多少色あせているものの、彩色とか当時の様式がよくわかって良いですね。

奈良町は瓦屋根が立ち並ぶ風情のある街並みで、リノベしてレストランとか雑貨屋とかいくつかありましたね。

 

***三輪*** 

そうめん森正

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JR奈良駅近鉄奈良駅が徒歩15分くらい離れていて不便ですね。

元興寺から頑張ってJR奈良駅まで歩きました。桜井線で三輪駅へ。

もうだいぶいい時間になっていたので、大神神社前の有名なそうめん屋さんへ。涼やかできれいな盛り付けですよね~、立ってるだけで汗ポタポタ垂れてくるような猛暑だったので、かなり生き返りました。うまい。

ここで夕飯用に柿の葉寿司も買いました。

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これまたうまい。鯖ですね。春日大社のお酒と合わせてみた。

この炎天下で常温で2日もちます!と自信もって言えるのすごいなあ。お酢と柿の葉の効果が絶大なんでしょうか。それとも防腐剤たっぷり入ってるんでしょうか。

 

大神神社

これでおおみわ神社と読みます。三輪山そのものがご神体で本殿がありません。日本最古の神社で、伝承には事欠かない神社。祭神の大物主大神は蛇神とされていて、神武東征以前の大昔から土着豪族が祀ってきた場所。

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大物主大神はお酒の神でもあって、神の化身である白い蛇が宿る大杉が境内にあるのだけれど、この杉に由来して酒屋や醸造所が杉玉を吊るすようになったとか。

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蛇神だから、卵がお供えされているのが面白い。酒造りの神に対して伏見の月桂冠キャップエースで揃えてくる意味合いがよくわからないけど…

ちなみに森正でお土産にもそうめん買ったけど、名前が「おだまき」。これも大神神社に由来があって、ある夜訪ねてきた若者と恋に落ちた活玉依姫の両親が不審に思って、その若者の衣の裾にこっそり糸を通して素性を調べたところ、その糸が三輪山に向かっていて大物主大神だとわかった、という話。このときおだまき(=糸巻き)に残ったのがたったの三勾(みわ。三巻。)だったのでこの地を三輪と呼んだとか。つまり、その糸と糸巻きをそうめんになぞらえているわけですね。

春日大社同様に境内が広い。平成9年に竣工した祈祷殿も立派ですね、結婚式とかに使うらしいけど、木造銅板葺きで風格がある。

摂社末社がたくさんあって、本当は時間かけて見て回りたいところだったんだけど、わりと過密スケジュールで組んでしまったのでこの辺りで大神神社を後にしました。段違いの歴史を持っているだけあって、古代様式の磐座(岩をご神体として祀る)とか、記紀に登場する神々や豪族の神社とか興味は尽きないんですけどね。

 

 後編に続きます。

ブーツのカビ対策

毎年ブーツでカビを育てています。

否、ホワホワデコレーションブーツは本意にあらず。今まで様々なカビ対策を実施してきたのですが、6月~9月の高温多湿期間は無残にも連戦連敗、辛酸を舐める日々が続いておりました。

が!

今年は生えてきてないんですね~~ムフフ~~~

その秘密はこちら!(通販みたいだ)

バイオ げた箱のカビきれい カビ予防 (交換目安:約4カ月)

バイオ げた箱のカビきれい カビ予防 (交換目安:約4カ月)

 

 

流れとしては、シーズンオフに「レザーキュア」でブーツを掃除、クリーム等で通常の皮革製品のケアをしたら仕上げに再びレザーキュアを吹きかけて手入れは完了。

そして、げた箱の天板に「バイオげた箱のカビきれい」を設置しブーツを収納すれば対カビ要塞の完成です。

レザーキュアは生えてしまったカビを拭き取るのにも使えます。

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6年くらいでこの傷だらけはいけませんよね。

もともとかなり安物で、左右の色も微妙に違うし現品限りの品だったのです。最初の二年でひどいことになって、もうだめかこいつと思ったんですが、丁度社会人になった頃、仕事用の革靴の手入れにシューケア用品を触り初めまして、ついでだからブーツも手入れするかということでやってみました。

そしたらすごいですね、カサッカサだったつま先がピカピカ光るし、かかとの内側はこすれてファサファサになってたところが何とか堅牢性を取り戻しちゃって。

雨のシミとか写真にもある大きな傷とかはどうしようもないんだけど、それも味っちゃ味みたいな感じで履き続けております。

 

カビはほとんど縫い目の付近にできます。これが厄介で、革表面は拭けばとれるんだけど、縫い目に潜むカビ菌の根絶は至難の業。

一度死にかけたブーツなので、これまではソールとウェルト部分のアルコール漬けやら塩化ベンザルコニウム水溶液漬けや革には良くない日光消毒など過激な措置を実施したんですが、やはり次の年には発生してしまうんですね。

やはり根本的にカビが生育できない環境に持ち込むしかないということで辿り着いたのがこのスプレー+バイオ方式です。レザーキュアはカビの膜構造を破壊する成分が入っていて、さらにマイクロカプセル化された抗菌剤が革にしみこむというところがポイント。カビきれいは詳しいところはわからないけど、製品の微生物が揮発性物質を放出することでカビが生育しづらい環境を作ることが目的のようです。

さてしかし、結局どっちが効いたかわかんないんですけどね。

A5のノートパッド

本当はコンパクトな記事も書きたい。

文具の紹介です。小さいメモパッドだと普段ロディアのメモとか使ってるけど、方眼すきなんですよ。

ロディア No.11 方眼罫 ホワイト 3冊セット

ホワイトはロゴもグレーでかっこいいけど長く使ってると汚れが目立つ。手垢というか茶色っぽく汚れるから清潔感がアレっすね~。それでもホワイト使ってるんだけど。

 

マルマン レポートパッド 5ミリ方眼罫 A5 P164A 10冊セット

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で今回のおすすめはこっちのマルマンREPORT PAD A5

もう表紙に「A5サイズが使いやすい!」って書いてあるけど、まさにその通りで狭すぎずでかすぎず。自分の頭の中を整理するのにちょうどいいサイズ。僕はA5サイズでものを考えているのか。

で、サイズ感としては紙の寸法はもちろん重要なんですが、これのいいところは枚数。40枚って比較的少なくて、持ち運びやすい。重くもない。

A5サイズ以上だとデスクで使う想定のものが多くて、100枚くらいのものが多い。そういうのはどっしりしてるんだよね、表紙に高級感があったりはするけど。

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中身はこんな感じ。

方眼もうすく入ってる感じでスマート。書き味はマルマンさすが、スムース。スマートでスムース。どちらかというと、ほんのわずかに厚めの紙かな。60g/平米と書いてあるけど、すんませんその辺の知識ないです。ツルっとしててほとんど滲まないタイプの紙です。

写真は新しいやつなんだけど、この前のやつは表紙ちぎれちゃったんですよね。でもそれはそれで使いやすかったから、もう最初から表紙破っちゃってもいいかもしれないね。

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使用サンプルを探したけど、だいたい個人情報か仕事だから公開できそうなのはこれくらいで…これはブーツのカビ根絶のために徹底的に戦うという気持ちの表れです。

というわけで次回はブーツのカビ対策についておすすめ製品を紹介しましょう。

食巧不食飽

2度目の台湾旅行でした。

とにかく飯がうまいので台湾大好き。東京から行きは4時間、帰りは3時間。英語も台湾語もほとんど喋れないけど全然大丈夫だし、タクシー超安いし最高な台湾です。

前回の記事(排骨飯 - そこぬけ九份 - そこぬけ)でも食事かお茶の話でしたが、やはり食事ですね。

 

担仔麺(梅子餐廳:台北市林森北路107巷1號 六条通口)

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梅子は有名店中の有名店。わりと庶民的なのかな、しじみの醤油漬けとかゆでたエビとか名物らしいけどちょい独特さもあるね。

で、写真は担仔麺(台:ターアーミー/日:タンツーメン)というやつで、これめっちゃうまいっすね。台湾飯でもわりと定番で、帰り際にも桃園空港の地下のフードコートで食べたくらい気に入った。

エビ出汁スープに中細麺、濃くて強い味付けの肉みそがのったこってり麺。日本以外のアジア圏は麺にコシがないのでどうしても物足りなさを感じることがあるけど、これはコシではないけど小麦のグルテンが仕事してるので食べごたえがある。

小さな器で供される料理なんですが、ついどんぶりでくれと思ってしまううまさ。しかし台湾には食巧不食飽(飽きずに美味しく)という哲学があるそうなので、こちとら日本人、粋な食事なら受けて立つってなもんですよ。

 

胡椒餅(炭錢胡椒餅新北市淡水区中正路258号)

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うまああああい

前回の旅行では目の前で売り切れて涙をのんだ念願の胡椒餅(フージャオビン)。炭火の香りが店の外まで漂ってほんとうに食欲をそそる。胡椒餅は小麦粉生地で肉あんと葱を包んで窯の内側に張り付けて焼き上げた料理。この肉の具合がたまらん。この店はかなりの粗びきかつホロホロとほどける肉質で実にジューシー。もも肉とバラ肉があって、どちらもうまいけど僕はバラ肉のコクが好きかな~。炭火の香りも強くて香ばしい!

 

胡椒餅(福州元祖胡椒餅台北市和平西路三段109巷2弄5号)

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同日に胡椒餅2軒目いきましたね。食巧不食飽の精神を早々にかなぐり捨てます。

さっきのは淡水でちょっと遠いけど、こちらは台北。

龍山寺の近くで観光がてらに丁度いいのだけど、店のある路地裏の雰囲気がなかなかにディープ。注文すると番号札をくれて、「アトナナフン!」などと教えてくれます。

最初は人通りの少ない薄暗い裏通りという印象だったのに、焼き上がりが近づくにつれ増える人々。見た感じでは地元の方が多いようで、高まるモノホン感。

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見てください、焼く前のプリプリプクプク感たるや。

淡水の店より、ミンチは細かくて味にまとまりがあります。そして皮が厚めでパンのようなふっくらとした触感とやわらかい甘みがほっこり美味しい胡椒餅

なかなかうまいですが、やはり僕は淡水の胡椒餅がオススメかな~。イヤ、ここがNo.1だという声もあるようですが、淡水はなんといっても肉がうまかったからな。アイスバイン並みのうまみ凝縮ホロホロ肉にやられましたよ僕は。

 

銀絲捲(彭園:台北市林森北路380號)

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夕食に湖南料理の店に行きました。中国八大料理のひとつ。

一般的には、湖南料理四川料理よりも辛いものだと聞いていたんだけど、この店では辛い料理1品も食わなかったな。メニューもみたけど・・・誤解もあるのかな?

写真は銀絲捲(インシージェン)というまあ、揚げパンみたいなもの。ヒモみたいな生地をぐるぐる巻いて揚げる料理。この店はこういう巻貝みたいな形だけど、よく見るのはコッペパンみたいな形のほうかなあ。

で、違うのは見た目だけではなく、味もその辺のより一段上。生地がきめ細かくて繊細な甘さ。ふわふわ感もあって非常に上品。油臭くないというか、きれいな油使ってそうな感じ。

この店は全然スイーツの店とかじゃなくて普通にレストランですよ。炒め物とか、エビをレタスで包んで食べるやつとかね、何食べてもうまい。メロンスープという衝撃のメロンくりぬき挽肉スープを味わったりもしました。

 

餛飩麺正老牌米粉湯:台北市長春路356號

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朝食はブラブラ散歩しながら探した。台北は家にキッチンがなかったりすることもあるようで、朝食は外で食べる人が多いんだとか。いたるところに朝食屋があって、Googleマップとかでもホテルの周りにおびただしい数の☆4があってすごい。

ここはですね、24時間営業という頼もしい店。隣の店も台湾粥とかその他取り揃えてる24時間営業店(洪記豆漿大王)なので超便利っすね。

写真はワンタン麺(台:フントゥンミェン)。うまいね~。麺は、どん兵衛の生めんVerという感じかな。どんぶりいっぱいだったらアレかもしれないけど、朝ごはんでこの丁度いい量最高。ほかに、肉絲米粉という担仔麺の肉みそがのったビーフンも食べた。これもうまい。

台北の朝、道端に据えられたステンレスのテーブルと丸椅子で少し汗をかきながら食う朝食はマストですよね。

 

ということで、イチオシ台湾飯をご紹介致しました。あ~うまかったな胡椒餅・・・

 

大阪の世界一でかい墓

大阪出張にかこつけて、GW初日に大仙古墳仁徳天皇陵)に行って参りました。

大阪旅行というとグルメかUSJなので一人で行っても特にすることないんですよね。難波も梅田も北新地もお初天神日本橋ももう何度も行ったから目新しさもないし。

そこで、本来縄文時代びいきで、色気のない弥生~古墳時代はあまり気合の入らない僕ですが、古代ということで一度は見ておきたい大仙古墳に行ってみることにしました。

これから紹介する古墳は5世紀前後に築造されたものです。初代天皇神武天皇即位の紀元前660年より下ること約1000年、蘇我氏聖徳太子が活躍する飛鳥時代から約100年前の築造物。僕が好きな縄文時代からは最低十数世紀離れてるわけで、つまり土器や土偶と埴輪をいっしょくたにする事はあまりにも雑なわけでフンガイしております。古墳だけに。

 

最近こそ古墳ファンの存在が明らかになってきましたが、陵墓の築造は昔過ぎて基本的に山にしか見えないし、前方後円墳の特徴的な鍵穴形はヘリとかじゃないと見られないので、エンターテインメント性が著しく低い。築造当初はきれいな石葺きがされていたり、無数の埴輪が並べられていていかにも儀式的な雰囲気があったと思われますが、現在は鬱蒼と樹木が生い茂る小山となっていることがほとんどです。

意外にもアレ古墳だったの?という場所も多いですけどね。すでに宅地開発がされていたり、公園の一部だったり、神社になってたり。

 

大仙古墳があるのは大阪府堺市です。西日本のすごいのは、この堺市から東にずずとGoogleマップなどを見ていくとまあ古墳の多いこと。奈良の平城京周辺の古墳まで辿り着いたら、今度はまっすぐ北上して京都まで来る。そうすると京の都の西側にこれまた古墳が並んでる。

大仙古墳の地域にある古墳を百舌鳥(もず)古墳群と総称します。今回はこの古墳群の代表的な古墳を巡りました。

 

1.上石津ミサンザイ古墳履中天皇陵)

生垣のレッドロビン?でしょうか、古墳の新緑とのコントラストがきれいですね。

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古墳の名前ってのがまたややこしいですね。学術的名称(教育委員会などが使用)と、地図等でよく使用される(天皇名)陵/古墳という一般的な呼び名、そして宮内庁が治定する名称の3種類くらいがあったりする。そしてこれらの混合もあってめちゃくちゃ。タイトルは「学術的名称(一般名称)」という風に記載しています。

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石碑には「履中天皇百舌鳥耳原南陵」と彫ってある。「百舌鳥耳原」については後述。

基本的に宮内庁が管理している陵墓は立ち入り禁止かつ歴史調査すら行われていないことがほとんどです。写真で分かるように、鳥居=神様の通り道しか設けられていない。

この陵墓が履中天皇のものだとしているのは宮内庁ですが、履中天皇仁徳天皇の第一皇子であるはずなのに、仁徳天皇陵よりも築造が古いようです。日本書紀の記載も時系列的な矛盾点が多く、この辺りの調査をしっかり始めてしまうと宮内庁が正としている歴史がいろいろ書き換わりそうですね。別にそんなことで国家転覆だなんだという人はほとんどいないでしょうが、なんとなくバツが悪いのか21世紀になっても大規模調査には踏み出してないのが現状です。

 

2.いたすけ古墳

廃墟感あふれる趣深いエントランス

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こっちはいたすけ古墳としか呼ばないのね。さっきの説明はなんだったのか。

ここは非常に自然を感じる古墳でして、秋は紅葉が素晴らしいそうです。今回、なんとタヌキと遭遇しました。

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周囲は濠が掘ってあるわけですから、この古墳の上にひとつの生態系が!

しかしこの壊れた橋はなんなのか・・・橋脚がコンクリート、橋桁は木造支柱にアスファルト舗装というありあわせ感。なぜか解体はされていない。

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ところで古墳というのは住宅地にいきなりあったりする。周辺住民にとっては子供近寄るべからず的な場所であり、水質によっては異臭が発生したり、虫や蚊の発生源でもあるわけで、古墳のある生活というのはどんなものなんでしょうか。

一方で、このいたすけ古墳住民運動によって宅地開発から免れ、全国でも文化財保護運動のきっかけになった場所でもあるらしい。当然シンボル的な愛着もあるだろうなあ。

 

3.百舌鳥御廟山古墳御廟山古墳

前方部のセクシーな角が楽しめるアングル。左奥には奥ゆかしく後円部のまるみが。

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宮内庁は「百舌鳥陵墓参考地」に治定。参考地ってなんやねん。

堀を巡る遊歩道に小さな神社がありました。

 

4.大仙古墳仁徳天皇陵

圧倒的スケールを誇る大仙古墳。まあ平地で見てもよくわからん。

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歴史の教科書に載ってる一番有名な前方後円墳ですね。

世界3大陵墓にも数えられ、ギザの大ピラミッド、秦の始皇帝陵墓(兵馬俑)を抜いて世界最大の面積を誇る陵墓です。でかい。

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二重の周濠による距離感、厳か度MAX!

宮内庁では「百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)」と呼称。

前述した「百舌鳥耳原」という言葉について、説明の看板がありました。

まず、ここの地名を「百舌鳥(もず)」といいます。最寄駅は「百舌鳥駅」。その由来がすごくて、この大仙古墳の築造をはじめたところ、森から1頭の鹿が走り出てにわかに倒れたそうな。人々が調べてみると、鹿の耳の中から1羽の百舌鳥が飛び去り、鹿の耳の中は食い裂かれていた(!!)。これにちなんで、この土地を「百舌鳥耳原」と名付けたとのこと。

出ました故事に突然登場しがちな無駄バイオレンス逸話。

事件自体がショッキングだし、あまつさえそれにちなんで地名にしちゃうという。ちなむ?普通?

まあ完全に憶測ですが、鳥はよく神の使い的な扱いをされることを考えると、鹿1頭が築造にあたっての神の賜物であるという慶事としているのかもしれないですが、昔の人の考えること理解できね~ジェネレーションギャップまじやばくね。

 

さて、JR阪和線・上野芝駅から1時間半ほどかけて徒歩で巡りました4墳墓。これだけ近くに密集していると、一つ目の古墳から次の古墳の森がちらと見えたりして、古墳ラリー感が楽しい旅でした。紅葉の季節が美しいらしいというのはひとつの発見だったので、機会があれば古墳の紅葉を撮りたいですね。

 

おまけ

僕が古墳巡りをした前日、興味深いコンテンツがアップされていたようです。

srdk.rakuten.jp

srdk.rakuten.jp

みなさんも是非モテカワ古墳コーデで古墳ツアーに出かけてみて下さい。

5度目のiPhone交換-iTunesバックアップのすすめ

慣れによるミスってあるよね。

iPhoneの交換は5度目、iPhone6にしてから2度目の交換です。

 

またもやiPhone6を割ってしまいまして。朝起きてちょっとだけ強めにテーブルにiPhoneを置いたらピシィ!といきました。ダメージがたまってたのでしょうか。

例によって画面保護フィルムは貼ってないので、ポロポロガラスが落ちる。仕方がないのでとりあえず丁度いいサイズのポリ袋に入れて上から操作という応急処置。

前回同様、アップルストアより予約不要のクイックガレージの方がはやく交換できるので、クイックガレージで交換。

まさに特筆すべきことなしといった感じで交換完了。

で、復元なんですよ、ちょっとビビったのは。

 

今回、iCloudバックアップから復元することにしてました。

理由は、なぜかiTunesiPhoneが上手く認識されなかったこと、夜中のバックアップから特に何も更新していなかったことです。まああるからいっかってやつ。

そしたら、復元はじめてもぜんっぜん進まないの。ステータスバーちょこっと青くなっただけで十分以上待っても全く進まない。

ヒエエエエですよね、なんだろうバックアップファイルが壊れてるのかな?新しいiPhoneも古いほうもちゃんとiOS最新になってたしな、なんでや。

と、一度は焦ったんですが、とりあえず放置してみようと20~30分後に再び手に取ると、やった!ステータスバー進捗ありです!残り時間13分!ひと安心。

 

は~一件落着、とはいかなくて、まあどうしようもないんだけどビビったのも含めiTunesでバックアップすべきだったなということなんですよ。

というのも、アプリの再ダウンロードにめちゃくちゃ時間がかかる。12時間くらいかかったかな。これはアプリをどれくらい入れているかによるんだけど、なんと復元直後はなんかアプリ足りないんですよ。並びも半分くらいめちゃくちゃ。

うおーこれはLINEとかデータどうなってるんだ~とか思ったけど、待ってたらまるっと復活しました。

でも、こうただ待ってるだけだといつよく使うアプリがダウンロードされるかわからないんですよ。LINEも6時間くらい経ってやっとでてきた。AppStoreで購入済みアプリのところタップすれば優先してDLできるっぽいけど、なぜかAppStoreが英語表記になってるしでいじりすぎるのもよくないかなと思って控えめにしました。

はい、なんだかんだで無事復元完了しました。

おまけ:画面保護フィルム

あんまりフィルムつけたくないんですが・・・AppleCareも2回使ってしまったので、反省してiPhone7を待ちます。

買ったのはこれ。前情報なしで。

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ラスタバナナの3Dフィルム高光沢

iPhone6の曲面ガラスをフルカバーするというのがポイントなんですが、ラウンドフィルム、Amazonのレビューがけちょんけちょんですね。

まず第一に貼りづらいんでしょうね。

貼り付け面を貼るとこまではいいんだけど、そのあと表面の剥離フィルムをはがすのがむずい。端っこが曲面だからしっかりくっついちゃってるんだよね。無理をすると保護フィルム本体がよれたりシワになる。薄いゼラチンっぽいフィルムなんですよ。

だけど、上手く貼りつけるととてもきれいです。

ほとんど貼ってることがわからない。フチまでフィルムすごい。気泡もヘラと指の腹できれいに追い出せたし、それがだめな人は辛抱がたりまへんな~僕はこの程度には器用なのでいけます。

しかし、やはりけちょんけちょんには理由がないこともない。

質感がちょっとね~~~TPU層があって衝撃吸収らしいけど、爪がつっかかるんですよね。ウレタンのクッション感があまり心地よくない。

それと、端が浮く。上部のスピーカー上、下部のホームボタン下の細い部分がよろしくない。ケース付けてると目立たないけど、端っこは全体的に力が加わるとたわんで剥がれます。

これはきっとあまり長い期間は持たないでしょうね。個人的にはかなり惜しい製品だと思うのですが。

まあだましだまし使いながら、ほかのフィルム探してみます。ガラスフィルムだと今回みたいな割れた時のつなぎにならないので樹脂フィルムで。

 ↓前回の交換記録です。記事へ飛ぶと最下部により以前の交換記録あります。

sokonuke.hatenablog.com

 

浮世絵と漫画(国芳イズムー歌川国芳とその経脈)

練馬区立美術館で『国芳イズムー歌川国芳とその経脈』という展覧会を見てきました。

まず第一に、浮世絵は漫画。漫画は浮世絵。という感想。浮世絵って、線画と着色なので手法はまさに漫画なんですよね。社会的な位置としても、大衆向けのイラストという感じも強くて、歌舞伎の演目の絵なんかは少年ジャンプ的な熱いドラマと燃えるチャンバラだったりして、当時浮世絵を刺青するヤンチャな人々が大勢いたとか。

特にやばかったのは小林永濯なんですが、あまりネット上に画像がなかった。絵自体は当然パブリックドメインになってるんだけど、画像としてアップロードされているものが少ない。下で紹介する鍾馗図はぜひ見て欲しいんですけどね~、漫画家だったら画力!!!という感想になると思います。凄まじいオーラが出てる。

尾形月光については丁度気に入った作品があったので画像貼り付けてます。もちろんいちばん時代が下ってるというのはあるのだけど、立ち姿というか仕草というか、言語にしづらい本物の人間らしいニュアンスが感動的。何の演出効果も使わずにこうまでしなやかでやわらかい動きを感じさせる絵というのはもう恐れ入りましたというしかない。

 

というわけで、以下、この美術展で気になった人物と作品を並べておきます。

 

歌川国芳(うたがわくによし)1797-1861

 舌切り雀図・・・完全にアニメ絵ですね。蛙の目。

河鍋暁斎(かわなべきょうせい)1831-1889

 松村三太夫高直・・・グロ系浮世絵というのもあるんだ。

月岡芳年(つきおかよしとし)1839-1892

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By 月岡芳年 - 『芳涼閣両雄動』 (http://www.muian.com/muian04/04yoshitoshi21215.jpg), パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17028032

 芳涼閣両雄動・・・構図が非常に漫画的。

 月の百姿 大物海上月 弁慶・・・素朴な表情がいい。

小林永濯(こばやしえいたく)1843-1890

 鍾馗図・・・やばすぎ。ジャンプだったら「ドン!」って書き文字入ってる。

 和英対訳 大日本功名略伝 菅原道真・・・ちゃんと海外にも紹介してるんですね。

 曽我兄弟夜討之図・・・ブラザー感が出ている。

尾形月耕(おがたげっこう)1859-1920

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 花火人名所合 亀戸臥龍梅・・・水色に白ドットの着物がかわいい!着物で見えない脚もシワだけでしゃなりと歩いている感じがして品がある。

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 墨田河百花園七草・・・幼い子の体の開き?まさに幼い感じと、少し年上の女の子の躾された歩き方、言葉で表現できないその機微が超上手く描かれてる。ものすごい観察眼。

 楠正行 四条畷忠戦之図・・・降り注ぐ矢の描写がこれまた漫画的。ドラマチック。